第28話

―――――――――――――――――――




プルルルル プルルルル






『……ん…、』







…電話?





シーンと静まり返る部屋に無機質な着信音が鳴り響き、沈んでいた意識が浮上した。





プルルルル プルルルル





未だに鳴り響く着信音に、仕方なく身体を起こし、近くに置いてあったカバンからスマホを取り出す。





”応答”と書かれた方にスライドして耳に当て、






『…はい。』







寝起きの掠れた声でそう言えば、







[あ、琶來?私だけど…、やっぱりその声はまだ寝てたのね。]






電話の相手は真梨からだった。







『…うん…、で?』






用件を促せば、






[あぁ、それでね、放課後にまたそっち行くって言ったんだけど、私急用が出来ちゃってさ、無理になったから電話したのよ。]





そんな言葉が返ってきた。






『…あー、分かった。』





…何だ、そんな事か。






[だって、そのままにしてたらずっと寝てるからね、琶來は。じゃあそれだけだから、二度寝しないでちゃんと起きなよ?じゃあまた学校でね!]






急いでいたのか、それだけ言って返事も聞かずにブチッと切られる。






そんな真梨はいつもの事で、特に気にせずスマホをカバンに仕舞った。







…とりあえず、起きるか。

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