第26話

そう適当に返事を返し、真梨とはそこで別れた。







そして今から向かうのは、今はもう使われていない”旧校舎”。





その旧校舎にある空き教室を、”ちゃんと許可を取って”使わせてもらっている。





”空き教室”についての説明は、また今度という事で。







とりあえず、旧校舎へ向かおうと足を進める。





と、







「…あれ、琶來ちゃん?」







後ろから、聞き慣れた声で名前を呼ばれた。






…この声。






『透さん…?』







後ろに振り返りながらそう呟けば、予想通りの人物と目が合った。






「久しぶりだね?入学式以来かな?」






『久しぶり…。そう…だね。』






そう言いながら、相変わらず穏やかに微笑みながら近付いてくる透さん。

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