第15話
「ほだよ。自分でも散々遊んで帰って来とったのに、アタシと飛鳥には五月蝿いからね。ケガするとカズ兄が五月蝿いで、冬休みは道場に行こう」
いつもカズ兄の事を言っとるけど、綾子はカズ兄に頼む事がよぉ〜あるよね。
いつもカズ兄の事を言っとるけど、綾子はカズ兄に頼む事がよぉ〜あるよね。
「うん、どうせアキラくんからも会ってと言われんし、綾子も塾でストレス溜まっとるからね。ストレス発散しんとアカンね」
笑って綾子と話しとると、マサ兄と彼女さんが部屋に戻ってきた。
マサ兄と彼女さんは高校のときから付き合っとるけど、卒業と同時くらいに同棲をしとった。
高校のときの彼女さんは、ちょこっと荒れとったけど、人を信用することが出来ん感じだった。
マサ兄が綾子に相談しとったみたいだけど、話を聞いとると家庭の問題があるみたいだ。
アタシのツレじゃねぇから、本人には言わんけど、かなり苦しんどった。
1年前くらいに彼女さんに会ったとき、リストカットをやっとるのは知っとったけど、マサ兄が何とかすると思ったから、気付かんフリをしとった。
アタシが出しゃ張って言うことではねぇし、マサ兄に任しとけば大丈夫だと思った。
約1年で彼女さんは、やっとマサ兄にちょこっとだけ心を開いとるのが分かった。
「綾子、マサ兄と彼女さんの邪魔したらアカン。ムッちゃんのツメも切ったで、早よ部屋に戻ろう」
ムッちゃんの爪をゴミ箱に捨てた綾子を見て、部屋に戻ることを言った。
「ほだね。明日のカラオケにも影響するとアカンでね。マサ兄、もう帰るね」
マサ兄の方を向いた綾子は帰ることを言ったけど、マサ兄たちは旧宅で、綾子は本宅でも敷地内じゃん。
「あぁ、飛鳥、ムッちゃんのツメ、サンキューな。カズが言ったことは気にするな。楽しんで遊んでこい。また、ムッちゃんを見に来てやってくれ」
気にしとると思ったみたいで、マサ兄は優しい顔をして言った。
「うん、マサ兄、ありがとう。また、ムッちゃんを見に来るね。マサ兄、彼女さんのことを大事にしんとアカンよ」
「飛鳥、いつもサンキューな。大事にしとるから心配しんでも大丈夫だ。困ったことがあったら、ちゃんと言えよ」
笑ってマサ兄に頷くと、優しい顔をしてアタシと綾子に笑った。
部屋に戻ってからも、まだ眠くなかったから綾子と話しとった。
「飛鳥、明日はファストフードに行ってから、カラオケに行こうね」
「うん」
そのあとはドラマや学校の会話をして、気付いた時には夜中になっとった。
普段、綾子とは話しとるのに、不思議と話題が次々に出てきて続いとったんだよ。
結局、睡魔様があらわれて会話を中断して寝た。
最後に時計を見たのは、4時近くになっとった。
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