小学生・佐々木蜜三郎の日記
場所:西行寺 宅
発見者:月夜見ひろまさ
日時:不明
☆☆☆
お姉ちゃんが、せいふの人っていうひとたちに、つれていかれました。
お父さんからは、お姉ちゃんは、びょうきだってしらされました。
【ヴァンプ】っていう、おばけみたいなびょうきになっていたんだって。
人をかんで、血をすう、っていうびょうきになったみたいなんです。
かまれた人は、おなじなかまになっちゃう、って、せいふの人は言ってました。
でも、せいふの人に、ぼくはかくしていることがあります。
お姉ちゃんがつれていかれるまえ、ぼくはお姉ちゃんにかまれました。
とても、とてものどがかわきます。お水をいくらのんでもかわりません。
しかたがないので、がっこうのかえりみち、クラスのともだちだったちいかちゃんとふたりきりになったときに、ちいかちゃんをおそって、血をすいました。ちいかちゃんはおどろいたようすだったけれど、ぼくと同じびょうきになったらなったで、本とうのお友だちになれたみたいでうれしいよ、と言ってくれました。
でも、【ヴァンプ】であることがばれてしまったら、せいふで、しょけいされるって聞きました。いろいろなくだとかチューブとかにつながれたり、じんたいじっけんにつかわれたあげくに、「さっしょぶん」される、とか聞きました。ぼくはこわくてこわくて、どうしようもありません。
お姉ちゃんは、もう、じっけんはおわったのでしょうか。「さっしょぶん」されてしまったのでしょうか。ぼくの大好きなお姉ちゃん。てきになったからといって、お姉ちゃんを好きでいていけない、というきまりなんてあるのでしょうか。
ぼくはこんど、せいふの人になんとかれんらくをとって、お姉ちゃんのゆくえをしりたいとおもっています。じゃまする人がいたら、ぼくはそいつのことをかんでやりたいとおもっています。【ヴァンプ】だからっていうりゆうで、「さっしょぶん」するなんて、かみさまほとけさまが見たら、どうおもわれるでしょうか。
あした、またせいふの人が、こんどは「ききとり」のちょうさにくるみたいです。
うまくごまかせるか、じしんがありません。
でも、お姉ちゃんのことを、少しでもしれることができるかもしれない。
お姉ちゃん、早く会いたいです。大好き、お姉ちゃ【以降、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます