第7話 スキル獲得!
裏チュートリアルってなんだ!? またおかしなことになってんぞ。
【時間内にアーサードゴブリンを全て倒せ】
……はっ!?
「おいおいおい、冗談じゃねえぞ! 物体Xが降って来なくなったと思ったら囲まれてる?」
さっきまで快楽自殺してやがったのは緑色の物体Xだ。
今度は赤い。三倍速のやつか?
しかも数が段違いだ。十五匹はいるか。
これを制限時間内に全部倒せってか?
時間はたったの五分か。単純計算で三百秒を十五で割れば
つか、表のチュートリアルが終わってねーんだけど!
こいつは初のフルダイブ機器だ。
自分が手を、足を動かして戦わなきゃならないから感覚がまるで違う……はず。
学校ではスポーツは並み。ゲームの腕前だってプロってわけじゃない。
使えんのは覚えのいい頭だけ。
そっこーで状況確認。このゲームの仕様も分かってねーから分析もしながらだ。
スタミナ値とか設定されてるし、走り回ったりスキルを連発すりゃその分すぐバテちまうだろう。
まずは……「ギッギーー!」
「ってこわっ! 短剣持ってんのがいやがる」
近くにいたやつが反応した?
うおおおーー!? 最初にでてくる敵にしちゃ速ぇだろ!
赤色ゴブリンは
動きは単調。回避は楽だが速いし敵の数が多い。
刺さったら同等の痛みがあるわけじゃないだろうけど。
……刺されたことねーから分からねぇわ。
「俺も男だ。ちょい攻撃したあとに覚悟決めて軽く刺されてみっか。裏とかいってもチュートリアルだしな。
「ギキーーー!」
突進してきたやつは短剣だったが、こん棒を持ってる奴もいる。
短剣を回避し、
相手に当たる感触。肩に痛みは無いが、触覚と軽い衝撃はちゃんとある。
俺のタックルでこん棒を持ってたうちの
アーサーゴブリンって名の割には軽い。
もう
モーションは上から下に振り下ろすだけ。威力はありそうだが動きが分かりやすい。スムーズに弾ける。
びびらなきゃこんくれーなら誰にでもできそうだ……だが残り四分しかねえ!
『スキル、タックルを獲得しました。スキル、シールドバッシュを獲得しました』
こっちも基本スキルだな。
盾は使い勝手がいい……って攻撃食らおうとしてたんだっ……た?
「ギッキーーー!」
くそ、後ろからいきなり短剣で突かれた!
ちくりという刺激が背中に走る。
急いでその場を離れたが、つまようじで指の腹をつついた感覚に似てるかな。短剣の攻撃でこれか。痛覚としちゃあ大体百分の
「後ろからよくもやりやがったな、このクソゴブが!」
「ギキーー!?」
こん棒の方が若干弱い設定かと思ったが、短剣持ちのやつにワンツーとキックをお見舞いしてやると、あっさり倒れた。
さらに次々と迫って来ていた短剣持ちを同じ要領で合計三匹倒した。
攻撃の動きが読みやすい。盾でも攻撃をどうにかはじける。
記憶したらもう忘れないぜ、その動き。
格闘の基本は大体理解してきた。
次はちゃんとした大技、やってみようじゃねーか。
こいつらの動きはフェイントもほとんど無い。
こん棒の方は持ち上げて振り降ろす。バックステップを踏むの二つくらい。
短剣のやつは両手で武器を構えて前方突進。追撃は無く、連鎖するように数匹が突進してくる。
まずはこん棒から
スタミナは消費するが走り込み……ドロップキックだ! 現実じゃ道路でなんて危な過ぎてやれねーけど、ゲームなら思いっきりやれるぜ!
「ヒャッハァーー! ミラクルダイブだこのや……ってやべ、こん棒振り上げたとこ……」
俺のまたの間にこん棒ストライク。
悶絶ものだが、思ったより痛くありませんでした。助かりましたよありがとう運営。
男にしか分からない地獄の苦しみドレミファソをしなくて済んだぜ。
「ギキ?」
「お前が心配そうな目で見てくるんじゃねえ! 気を取り直して……ジャンプは止めて足元攻撃だコラァ!」
下段からの大がかりな回転足払い。こいつらは体重が軽いのか、派手に空へ打ちあがる。そこに反動をつけてローリングソバット!
「っしゃあ、もう
敏捷性振ってるからか、体のキレが段違いだぜ。
けど、ヒューマンってことは身体はただの人レベルなんだよな?
そーいやヒューマンは、初期で魔法が使えないってのはデメリットの部類だ。
そうすっとその分なにかしらのメリットがあるはずだが……ヒューマンのメリットってなんだろ。
これも後でオメガさんに聞いてみるか。
「スキル、浮水蹴りを獲得しました。スキル、ローリングソバットを獲得しました』
新しいスキル獲得っと! 基本スキル外かと思ったが……これ探してくだけで時間かけられそうだ。やっべぇ、面白いじゃん、パクリマ!
残り時間三分、まだ十匹以上いやがる。
試したいやつ、やってみっか。
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