第26話 掃き溜めのツル? カイル

「イッセ、照明魔道具作成の時は、素材順序を思い出して魔力組立やれば、この品質になる他の者も、照明魔道具作成時順序を思い出してやって見ろ!」

「「「「はい、ヒロ様!!」」」」


「他に違う魔道具を組み立てを試したい者は居るか?」

「ヒロ様! 自分も副主任でカイルと申します! 自分は会話魔道具を得意として居りましたが、ゼストより性能は劣ります」


「素材を並べてみろ」

「はい!」


 カイルの素材順序は独自の工夫がされた物だった。

「カイル、凄いじゃないか独自の工夫が見られる! 努力して来たお前には、極意を指導する!」

「は? はい!! 有り難う御座います!!」

「カイルは私に付いて来い! 他の者はイッセに照明魔道具の素材順序を教えて貰え! その並び方を覚え魔力組立すれば、現魔道具師最高レベルになる!」

「「「「「「「「ヒロ様! ご指導有り難う御座いました!!」」」」」」」」



 僕はカイルを連れ、御者がミヒロの馬車に乗り込み、ヒロ第2魔道具工房に向かった。



「あっ、ヒロ様ご指摘の徹底的掃除終わってます!!」

 閉店中の店員リリとミミ、メメの3人に魔道具工房の徹底的掃除を命じていた。


「ありがとう! 作業場の整理整頓清潔清掃は良い品質の第一歩だ! あの様に汚れた作業場で良い魔道具は作れない!」


「はい! ゼスト工房長とレツさんサブさんも、一緒に掃除しました」

 魔道具工房に入ると、見違える様に良い環境になっていた。

「ゼスト、良い環境になった! この状態を維持する様努力してくれ!」


「ヒロ様? カイルがどうかしましたか?」

「カイルの会話魔道具の素材順序、ゼスト程では無いが創意工夫が見られた、これから極意の指導を行う、ゼスト達も勉強になる、参加するように!」



 僕は遠距離通話魔道具の組立順序に素材を並べた。

「この順序を、時間は掛かっても良い、完全に覚えろ」


「自分の順序に似てますね?」

「カイルは見処が有ると、私も思った! この部分が違うだけで全く違う物になる! カイル覚えたか」


「はい! 覚えました」

「では、順序を思いだし、この出来損ない会話魔道具に魔力を流し魔力組立やってみろ! 成功すれば、内部素材が再構築されて高性能魔道具になる!」


「ヒロ様! 私が先にやっても良いですか?」

「そうだな照明魔道具の極意と同じだゼスト、カイルに手本を見せてやれ!」


 ゼストは出来損ない魔道具を手順さえ覚えれば、再構築出来る事を知っている、簡単に出来損ない会話魔道具を再構築した。


「ゼストは極意を取得出来てるな! 見事だ!!」

 カイルは後輩が先んじた事に発奮はっぷんした様だ。

 ゼストが再構築した事実を目の当たりにし、覚えた手順の通り出来損ない会話魔道具に魔力を流した。


 一回り小型の魔道具が出来上がった。

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