第18話 胸のすく思い
エンディ男爵様の
大慌てで工場主達が退場し、会場には僕達だけが残ってる。
「ヒロ・ダスト騎士爵、お主の代わりに仇を執ってやったぞ、実は娘フランソワに聞くまでヒロの不遇を知らなかった、もっと早く知って居れば違った……いや、これで良かったかも知れん、悔しささえ飛躍の糧にしたお主の努力向上心見事であった!」
「勿体無いお言葉、痛み入ります」
「忘れる所であった、これが正式騎士爵章だ外出時貴族で有る事を他者に知らしめる為、この場所に着ける決まりがある」
と言って僕の左胸に、エンディ男爵様自ら着けて下さった。
騎士爵の紋章は、銅の盾に槍が斜めに配置された図柄で格好良い。
この嬉しい出来事は、僕が登り詰める第一歩になった。
「オートマタワインは娘のお気に入り、出来れば儂専用のオートマタを作ってはくれぬか? 儂も機械人形の墓場に出向き、製作に立ち会う! 都合を付けて是非頼む!」
「エンディ男爵様、この後時間は取れますか?」
「本日の予定は、ヒロも知って居るタクトを魔道具師専門学校、校長に任命するだけだ、時間は空いて居る」
「フランソワ、これから機械人形の墓場に行けるか?」
「はい! 父の希望を叶えて下さい」
エンディ男爵様はお忍びで出掛ける服装に着替え、フランソワの馬車で向かう事になった。
ロゼが御者、御者席にミヒロとワインも乗って、馬車内を広く使える様に考えてくれた。
初めて知ったよ、機械人形の墓場はエンディ男爵様の、邸宅浦の森林の中にあったとは。
男爵様の管理森林、立ち入りは代理管理人の許可が必要だ、墓場が荒らされない理由が分かった。
森の入り口から歩きになる。
ロゼとミヒロ、ワインも場所が分かっている様で、森中を迷い無く進む。
1時間程歩いた、見慣れた広場に機械人形が積み上がった墓場があった。
「エンディ男爵様、どの様なオートマタをご希望ですか?」
「そうだな……領地運営のパートナーになる様な優秀なオートマタにして欲しい」
「名前は、お考えですか?」
「ロゼットだ」
「領地運営の出来る優秀なオートマタ、名前はロゼットでは始めます」
雑念を消して集中する(領地運営の優秀なオートマタ、ロゼット)
今回も適当な5体に魔力を込めた。
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