第11話 良い所にタクトさん復活

「フランソワ、今日は裏の素材山で照明魔道具を作る事!魔力作成の段階に挑戦して貰う」

 フランソワと、裏の素材山に向かったロゼも付いて来る。


「手組で魔道具製作の手順は、十分覚えてるはず、失敗を恐れず手組で完成させた照明魔道具のイメージを思い浮かべ、素材に魔力を流してみて!」


 フランソワは顔付きが変わり、真剣な表情になり目を閉じて魔力を流した。


 手組照明魔道具の、二回り小型の照明魔道具が完成した。

「フランソワ、良くやった!おめでとう!!」

「えっ?成功ですか?」

「目を開けて見てみろ!見事に完成させてるぞ!」


「本当ですわね、師匠のお陰です!こんなに早く魔力作成で魔道具を作れる様になるなんて、弟子入りして良かった!!」

 僕は完成品に魔力注入し性能確認した。


「外観も機能美が有り性能も申し分無い、おめでとう!照明魔道具作成に関し魔道具師と言っても通用する!この出来なら店舗に置けば普通に購入して貰える!早速展示しよう。

明日からは時計魔道具、手組作成訓練を始めるぞ!!」


「師匠!ありがとうございます!出来れば明日は機械人形の墓場にご案内したいのですが?師匠のご都合が良ければですが・・・今夜ロゼと完成画を描いて置きます」


「店に客も来ないし、都合は付けるが希望通り魔道具再生出来るか分からんよ」

「あのまま放置より素材として試すだけで、十分墓場の機械人形達の救いになりますわ」



 来客ベルが鳴ってる?

 僕は急いで店に行った。


「ヒロ君、長く留守にして悪かった!専門学校の教官休職して来た!手続きに手間取ってこんなに時間が掛かっ・・・フランソワさん?」

「タクトさん、フランソワは父で有るエンディ男爵の許可を貰い、僕の弟子になりました、先程裏の素材山を使い魔道具の魔力作成に成功しました」

「師匠のお陰ですわ」


「私が居ない僅かの間に、ヒロ君は師匠になったのか?弟子の育て方も上手く出来て居るようで、目出度い!!」

「食生活もフランソワの機械人形ロゼのお陰で、凄いご馳走続きです!パンにハムとチーズ挟むだけの食事じゃ無くなって、タクトさんも一緒に食べましょう!」



 


 その夜僕は書斎に籠り、機械人形について調べた。

「レシピは以前暗記してる、手組なら機械人形作成は可能だが、問題は墓場の機械人形を素材にして何を作るか・・・」


「ヒロ?書斎で何か調べ物か?」

「タクトさん、フランソワのロゼが機械人形の墓場の機械人形を素材に何か違う物に生まれ変わらせて欲しいって注文で、何をどうやるか分からなくなって」


「あのロゼは、ヒロミ先輩が作ったものだ、高性能だだろ!ヒロミ先輩は次の段階を考えて居たが、機械人形5体も素材に必要でヒロミ先輩が断念した超機械人形、人と見紛みまがう生きている様なオートマタ、その時の絵がこれだ」


 タクトさんが見せてくれた絵は、前後左右4枚の精密に描かれた、何処か母さんに似た少女の絵だった。

「こんな、人と変わらない美少女が、機械人形5体で作れるの?」


「逆に人と変わらない美少女だから、素材に機械人形5体も必要になる、それにこの絵が有れば、今のヒロなら作る事が可能で有ろう。オートマタは会話も普通に出来るし思考もヒロの欠点を、補う発想に閃きに優れ良いパートナーになってくれる、それに面白いのは素材の5体によりオートマタの性格と言うか人格も変わる、どんな子に成るか楽しみじゃ無いか?」


 タクトさんの話を聞くと、明日が楽しみで眠れなくなってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る