第6話 魔道具時計製作

「ヒロは魔力注入型時計魔道具を知ってるか?」

「魔石作動型時計魔道具は作った事がある」


「入学試験は魔石作動型照明魔道具だったな、さっき作った魔力注入型照明魔道具との違い、比較すれば分かるだろ?」


「レシピの多くは全く同じだが、マンドラゴラの葉っぱを使うのが魔石作動型で、根を使うのが魔力注入型、作成での違いは魔力注入型の方が小さく出来るで、良い?」


「その通り!魔力注入型時計魔道具はマンドラゴラの根の方を使えば出来る、魔力作成の時注意するのは、腕輪に成るように作ってみろ、絵に描くと・・・」


 タクトさんは話ながら、綺麗な絵を描いて説明してくれた。


「出来そう、外にある素材の山に行って来る・・・あの山にマンドラゴラって有った?」

「有ったかも知れんし、無いかも知れんが、ヒロはあの山から魔力注入型照明魔道具を11本作っただろ」


「そうだね、出来たと言う事はマンドラゴラか、代用になる素材が有るのでしょ」


(ヒロは鋭い時とボンヤリ緩い時と両極端だな、代用素材と言った時は困ったぞ、聞かれて正直に答えたなら、生真面目で不器用なヒロは以後魔力作成出来なくなる所だった)


 真実は魔力作成の魔道具にレシピは不要、イメージが出来ればどんな魔道具でも適当な素材から魔力作成で魔道具が出来る、完成イメージがむつかしいが、ヒロは既に手組みで時計を完成させてるので、イメージは無意識に出来るだろう。

 この無意識まで作成熟練するする事が出来ず、多くの魔道具師が挫折して行き、照明専門魔道具師になってしまう。

 魔道具レシピ技術者が現在皆無で、過去のレシピを使って居るだけの、情けない状態が魔道具師の現状だ。

 

 唯一無二の存在だった、ヒロミ先輩だけが私のイメージ通りに魔道具をでっち上げる事が出来た、ヒロ君に期待して大切に魔道具師として育てているのも、ヒロミ先輩の奇才を引き継いでいる可能性が有るからだ、今の所思った以上の成長を見せてくれた。




 出来た様だな、ヒロが帰って来た。

「僕はヤッパダメダメのダメだ、腕輪じゃ無くて指輪になってしまった・・・」


「いやいや、小さくて画期的な時計魔道具じゃないか!その指輪時計なら女性が絶対欲しがるだろう!」

「そうか?タクトさん僕を、慰め様と思って無い?」

「同じ指輪時計をこれも後10個作って来い、私が魔道具店の店開きして置く」


 ヒロは今の所、自分で作る事が出来た見本が有れば、素材の状態に拘わらず量産出来る様になった。

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