第5話 タクトさんが僕の父親?

「タクトさん?取り合えず中に入って!」

 まだぶつぶつ独り言を言ってる、タクトさんをうながして扉を開き室内に入った。


「魔道具師の家って感じだ」

 玄関で室内ばききにはきき替える、魔道具師の室内はゴミやほこりって大敵、魔道具作成中ほこり程度が紛れ込んだだけで誤動作する事がある、魔道具はそれほど繊細な物だ。


 流石に魔道具師専門学校の教官、タクトさんは無意識に室内履きに履き替えてる。


 応接間と思われる、大きな部屋のソファーに腰掛けた。

 邸宅も新品なら、家具も新品だ「新居で何も無いけど」


 まだぶつぶつ言ってるタクトさんを放置して、玄関の反対側を探索した。


 次の間は書斎?魔道具に関する書物が、本棚にズラリ並んでる。

 次の部屋は不明、家具と奥にベッド「寝室?でも無い、客間かな?」

 次の部屋も全く同じだった。

 同じ部屋が計5部屋続き、厨房?広い台所っぽい部屋があった。


 冷蔵魔道具と思われる、大きな収納庫を開けて見ると、食料品に飲料水がギッシリ入ってる?「これ何時の物?食べられる物?」

 飲料水の容器を取り出し、食器棚のカップに注いで、匂いをぎチョッと口に含み異常が無いのでゴクゴク飲んだ。

 飲料水はホンノリ甘くて少し酸っぱい、爽やかな味でいくらでも飲めそうだった。


「もしかして、母さん時間停止収納庫作った?時間停止収納庫って夢の魔道具だぞ!」


 カップと飲料水容器を持って、応接間に帰った。

「お?ヒロ、何処に行ってた?まぁ座れ、話がある重大な話だ!」

 僕のカップとタクトさんのカップに飲料水を注ぎ、僕もソファーに座った。


「ヒロミ先輩は何も教えてくれなんだが、状況から判断して、ヒロは私とヒロミ先輩の子だ!!」


「ぶっ!!」

 飲み掛けた飲料水を噴き出した。

「えっ?えぇ!!!タクトさんと母さんが・・・えっ!男女の仲だった?」


「ヒロが今17歳、18年ほど前の夜、一度だけだが覚えがある」


 そんな事突然言われても、タクトさんをお義父さんなんて・・・今更こっずかしくて呼べないよ!


「ま、今更気付いて親父づらする気は無いぞ、だが心の奥には君の親父は私だと思って置いてくれ!じゃ、同じ屋敷内だが、魔道具工房に行って見るか?」


 タクトさん、照れ隠し?僕の返事を待たず、玄関の右側の扉を開けた。


 応接間を基点に玄関の反対側の扉が書斎に客間奥が厨房、玄関の左側は見て無い、玄関の右側が工房になって居るようだ。


 几帳面だった母さんらしい、使い易そうな工房だが・・・広い!広過ぎるぞ!!

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