第2話 謎のメッセージ
「『ケースは気に入ったかい?』」
その一文を見た瞬間、全身に鳥肌が立った。誰かが僕のスマホにアクセスして、しかもケースが変わったことを知っている…? 一瞬、友人のイタズラかと思ったが、この名前に覚えはない。「田中K」とだけ表示されていて、全く心当たりがない人物だ。
「いやいや、これは…どういうことだ?」
思わずスマホを見つめたまま固まってしまう。何が起きているのか、頭の中で整理しようとするが、全く理解が追いつかない。まず、一体誰がこのケースを変えたのか? そして、どうしてその人物が僕のスマホにメッセージを送れるのか?
「…返信すべきか?」
恐怖心を抱きつつも、このままでは何も解決しない。僕は震える手でメッセージに返信することに決めた。
「誰だ? 何で俺のスマホのケースを変えた?」
送信ボタンを押すと、すぐに「既読」がついた。相手は待機していたかのように、瞬時にメッセージを確認したのだ。そして、数秒後、また返事が届いた。
「気にしないで。ちょっとしたお礼だからさ。君が昨夜、コンビニで拾ってくれたハンカチ、覚えてる?」
「ハンカチ…?」
そんなものを拾った覚えはない。僕は、昨日の夜の出来事を思い出そうとした。確かに、コンビニには立ち寄ったが、ハンカチなんて…あ! 思い出した。店の前で小さなハンカチが落ちているのを見かけて、店員さんに渡したことがあった。けれど、その程度のことで、なぜスマホのケースが勝手に変わるんだ?
「待って、ハンカチを拾ったのは本当だけど、だからってスマホのケースを勝手に変えるのはおかしいだろ?」
僕が再度メッセージを送ると、すぐにまた返信が来た。
「まぁ、普通の人はそう思うよね。でも、僕にとっては特別なお礼をしたかったんだよ。それに、そのケース、ただのケースじゃないんだ。ちょっと便利な機能がついてるんだよ。」
「便利な機能?」
この時点で、僕はますます訳が分からなくなってきた。スマホのケースに「便利な機能」? 何を言っているんだ? ただの手帳型ケースに何の仕掛けがあるっていうんだ?
僕はそのケースをじっくり観察し始めた。表面は普通の手帳型で、内側にはカードポケットがついている。特に目立った仕掛けやボタンがあるわけでもない。だが、次の瞬間、ケースの内側がうっすらと光り始めた。
「…え? なんだこれ…?」
僕が呆然と光るケースを見つめていると、スマホにまたメッセージが届いた。
「それに気づいたみたいだね。さあ、これからが本番だよ。」
次回、第3話「驚愕のケースの正体」が明らかに!
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