ある朝目覚めるとスマホのケースが勝手に変わっていた。
星咲 紗和(ほしざき さわ)
第1話 朝の違和感
朝、目が覚めた瞬間、何かがおかしいと感じた。枕元に置いたスマホを手に取ると、違和感はすぐに目に飛び込んできた。昨夜まで確かに青いシンプルなケースを使っていたはずのスマホが、真っ赤な手帳型ケースに包まれていたのだ。
「は? いつの間に…?」
寝ぼけているのかと思い、目をこすりながらじっと見つめる。ケースは新品のようにピカピカで、まるで誰かが深夜にそっと交換したかのようだ。しかし、自分は一人暮らし。鍵もしっかりかけて寝たし、部屋に侵入者が入るわけがない。そもそも、こんな赤い手帳型のケースを自分で買った覚えもない。
「…まさか、寝ぼけて自分で買ったとか?」
昨夜の記憶を必死にたどるが、ネットショッピングでポチった記憶は一切ない。しかも、手帳型ケースなんて、使ったこともないタイプだ。完全に自分の趣味ではない。
「おいおい、これはどういうことだよ…」
気持ち悪さを感じながらも、ひとまずスマホを開いてみる。中身は変わらず、自分のスマホだ。ホーム画面も、アプリもそのまま。だが、どうしてケースだけが変わっているのか? 寝ぼけていたわけでもなく、家に誰かが侵入した形跡もない。僕はベッドから起き上がり、部屋中を確認してみることにした。
ドアはしっかりロックされているし、窓も閉まっている。カーテンの隙間から差し込む朝の光は、何事もなかったかのように平和だ。だが、心の中ではモヤモヤとした不安が広がっていた。
「いやいや、気のせいだろ…そうだ、きっと」
そう自分に言い聞かせるも、次の瞬間、スマホが突然振動した。
「え?」
メールの通知だと思って画面を見ると、そこには見覚えのない名前からのメッセージが一通届いていた。
「『ケースは気に入ったかい?』」
僕は思わず息を呑んだ。
次回、第2話「謎のメッセージ」が明らかに!
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