第13話
「ねえ、あなたってどうして、みんなに教えてあげないの? あなたの本当の姿をさ。あなたはそんなに優しいのに」
千花の言葉を聞いて、雪音は自分の耳を疑った。
「何を言うんですか!? 私は優しくなんかありません!」
「またまたぁ。少なくともあたしに対しては
優しかったと思うけどなあ」
「それは、千花さんが、優しいふりをしていたから。私、千花さんが、私のこと苦手って、言ってるの聞きました。
そんなこと知ってましたよ。だって、みんなの言う通りじゃない。冷たくて、無愛想で何を考えているのかわからないって」
「あれは、言葉のアヤよ」
「でも、本当なんでしょう?」
「本当だけど、でもね」
「もういいです! 放っといてください!!」
雪音は大声を出した。そして、その場を走り去った。
涙が出てきた。
今まで抑えてきた感情が爆発してしまった。
「ああ、やっぱりそうなんだ。私なんて嫌われ者なんだ。わかっていた。わかっているつもりだったけど」
胸が苦しい。
呼吸ができないほど。
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