第11話

 ある日、一枚の校内新聞が発行された。

 校内新聞といっても、一部の人々が趣味で作っているものだ。

『氷姫の真実』という特集を伏せて雪音はインタビューを受け、それが、歪まされた情報になって、並んでいた。


 本心では自分のことを誤解されるのは嫌だったが、千花が一緒にいてくれるのならば、我慢できた。その他大勢には、どう思われたっていいような気すらしていた。


 ところが、それがいけなかった。


「ねえ、あの子ってちょっと怖いよね」

「わかるー。近寄りがたいっていうか」

「孤高です、って感じ気に食わない」


 クラスの女子たちが、陰口を叩いていたのである。


 確かに、自分は冷たい人間かもしれない。

 だけど、千花だけは本当の私を信じてくれていると。そう思っていた。

 雪音は聞いてしまった。

 千花が彼らに

「前から思ってたんだけど、あの子のこと苦手なんだよね」

 と言っているところを。

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