第10話
雪音が笑うようになったのは、千花の明るい性格のおかげだ。彼女のまわりにはいつも人が集まる。クラスの中心的存在なのだ。
一方、雪音はいつも独りだった。基本誰とも話さない。話しかけられても無愛想に答えるだけだ。
だが、そんなことを気にせず、千花は雪音に話しかける。
それが千花には安らぎを与えていたのだ。
雪音は千花と一緒なら幸せだった。
千花も雪音を親友だと認めてくれたようだ。
二人でいると楽しかった。本当に楽しい日々が続いたのである。しかし、そんな時間はあっけなく終わった。
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