第5話
結論から言えば、鈴は完璧に薬を調合してしまった。
「本当に、調合、できちゃった」
「鈴。この腕前なら薬師巫女、言うなれば他のどの巫女より優れた薬品の専門家になれるわ」
桐花が鈴に語りかける。
「大巫女様に教わったこと、染み付いていたようね」
桐花さん、と鈴は改まって呼びかけた。
「私、薬師巫女として、働いてみます」
桐花は数秒驚いたような顔をして、それから「ふふ、」と笑った。
「なら、初仕事は星祭りのための癒し薬の調合かしら」
こうして落ちこぼれの巫女見習いは薬師巫女としての道を歩み始める。
巫女見習い 及川稜夏 @ryk-kkym
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