第3話

「やめなさい」

 その声の主は桐花だ。齢16にして村の医局に勤める彼女は早くも次期大巫女の候補とすら言われている。


 散々好き放題言っていた巫女たちは、蜘蛛の子を散らすように各々持ち場へと帰っていった。

「桐花さんっ」

「ダメよ、あれはちゃんと断らないと」

「すみません」

 申し訳無さそうな顔をした鈴を見兼ねた桐花は表情を和らげる。少しでも空気を和らげようとしたのか、桐花は話題を変えた。


「ところで、星祭りが近いわね。今年の舞は私が任されたわ」

「わたしが舞をする日は遠そうですけどね」


 

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