(株)脱出ゲーム

書のウッジー

理科教材

〇理科教材

 「先生、このサイトどうなんでしょうかねぇ?よく噂にしますが生徒に危険とやら何かですが。正直私は嫌ですよ。危険な状態に生徒をぉ…」

 理科担当の鳳先生が目の前に並ぶ校長の島崎と教頭の新海に申し出た。島崎は首を下げ悩ましいような態度を鳳に示す。その横に並んだ新海が口を開いた。

 「校長がさすがにというのであればですが私は賛成でもありますね。評価は悪いかもしれません。ですが私が調べたところそのサイトの評価は大体学校の先生という有識者ではなくたんなるデマを流したことのあるネット民でした。」

 「ですが、なら評価の是非がはっきりとしない会社のものを使うのはさすがにと思います。」

 鳳は何とも納得がいかなかった。疑念を抱かずに負えない彼を説得するように新海が話す。

 「人間は良い教材は評価から判断するようですが、知名度がない教材でも一番最初の評価がどうかによって判断するでしょう?その評価を私たちがしませんか?今の教材だって一番最初の学校の評価により広まったんですから」

 「ですが……」

 そうして新海は最後の切り札として、

 「私が責任を取りましょう。最悪の事態は私が責任もって対処しますよ」

 と切り出す。

 「生徒に危険が及ぶ可能性があり、個人情報をさらされたりと将来に大きく関係します。私は断固否定です。すみませんがこれで失礼します」

 鳳は新海の話した内容を無視して部屋を出た。

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