第4話 さがえそば

それは僕が小学4年生の時だった

昼休みに同級生たちがお蕎麦の話をしていた

僕は人見知りな性格だったんで、話の輪に中々入っていけないのだが

その日は思い切って話の中に入っていった

「そば、知ってる知ってる。細い棒みたいなのをお湯でゆでるとできるやつだよね」と僕

「Aくん(俺)お蕎麦って外で食べるもんじゃない?」とBさん

「Bさん、うちでは時々家でつくるよ。でも棒じゃなくて紐みたいなもんじゃない」とCさん

「ああ、Bさん、うちは大晦日にそれ茹でて食べてる、Aさんの言ってるの別のもんじゃない?」

「Aさんってもしかしてお蕎麦食べたことないのかな」

「そういえばAさん、先生が給食費まだって聞いてたよ(察し」

僕は居たたまれなくてその場を駆け足で逃げ出した


家に帰って母親に問いただした

「今日学校でそばの話をしたらうちで食べてるそばはそばじゃないって言われた」

「何言ってんだい、うちのは『乾麺のそば』だよ。

本当の生麺は数日しか消費期限かないし、茹でるのが難しい

一般的にスーパーで売られているのは消費期限の長い半乾麺だが、酢が入っていたり保存料のおかげでコシがない

ゆで麺は消費期限が短く、茹でられていてコシもないし生麺から茹でたような感じがしない

ってことで、最終的に乾麺のそばに落ち着くんだよ」

「そうだよね。みんなが間違っているんだよね」


翌日、学校の昼休みに僕は思い切っていった

「やっぱりうちで食べているのは蕎麦だよ。乾麺っていう蕎麦なんだよ。

本当の生麺は数日しか消費期限かないし、茹でるのが難しい

一般的にスーパーで売られているのは消費期限の長い半乾麺だが、酢が入っていたり保存料のおかげでコシがない

ゆで麺は消費期限が短く、茹でられていてコシもないし生麺から茹でたような感じがしない

ってことで、最終的に乾麺のそばに落ち着くんだよ」

「何が最終的に落ち着くだよキチゲェ」

「スーパーやコンビニでの売れてる数とかわかってんの?」

「乾麺のそば?、そんなの見たことないよ」


そう言われると思って僕は懐に乾麺のそばをしのばせていた

それは山形の卯月製麺の「さがえそば」でした。

「ジャーン、見てよ!これが乾麺のそばでーす。 ほらほら、そばって書いてあるよ。」

「どれどれ、ふーん」

僕が持っていた乾麺のそばの袋をとって見るBさん 」

「そば?原材料の最初に小麦粉って書いてあるね」

「小麦粉が多いってこと?流水麺でさえそば粉のほうが多いのに」

「あっ、でもこれ干しそばって書いてある」


干しそば?


ほ   し   そ   ぱ  ?


ほwwwしwwwそwwwばwww


ワハハハハハハハハハハ


皆がいっせいに笑い出した


ほしそば、干しそばだってwwww


ほしそばとかちんけな名前だねえwwww


ほしそばとか本当に貧乏くさいねえwwww


ほしそばとか腹いてええええwww


もちろんそれ以来僕のあだ名は干しそばになったことはいうまでもない

その日を境にだんだんと僕は小学校に行かなくなった。 中学にも入学したがほとんど通っていない。

ずっとずっとひきこもって2ちゃんばっかやってる。

2ちゃんでやっていること。

それは、乾麺と言わないやつにいやがらせをすること。

今日も干しそばとか言ってるを「シマダヤ社員乙」と馬鹿にしてやった。

あと乾麺認めないやつはチョンだ、チョン死ね、国に帰れ


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