第3話 俺が羽柴秀吉に転生して本能寺の変を防ぎます!

「羽柴殿!羽柴殿」

大きな叫び声で目を覚ますと俺は畳の上で仰向けに寝ていた

何故こんなところに・・・俺は夢を見ているのか・・・

・・そもそも羽柴って誰だ?・・

「羽柴殿!羽柴秀吉殿!」

ちょんまげをした若い男が俺に向かって叫んでいる。

羽柴秀吉?まさか、それ俺のことか!?

俺は自分の頭を撫でると自分もちょんまげになっている事に気づく

そうか、俺は羽柴秀吉に転生したのか!

とりあえず状況を確認しなければならない。

「あ、頭がいたい!儂は誰じゃ!ここはどこじゃ?!」

俺は頭を抱えて叫ぶ。もちろんこれは記憶喪失を装ったのだ。

そしてその侍はそれを信じて俺に色々と教えてくれた。

どうも俺が転生した世界は俺の以前いた世界、2024年の日本と安土桃山時代の日本が混ざった世界のようだ。

「思い出したぞ。儂は織田信長様に仕える羽柴秀吉。通称禿げ鼠。ところで一体何が起こってのじゃ」

「明智光秀様が取り仕切っている徳川家康様の饗応で不手際があり織田信長様がお怒りなのですい!」

なるほど

しかし、俺の知っている日本の歴史とは少し違っているようだ

本能寺の変の前に秀吉は中国地方にはおらず信長とともに京都にいる

「はあ。またあのアスペが発狂か?何が原因なのじゃ?」

「徳川家康様の好物である松平ドナルドのハンバーガーを光秀様が用意しなかったのです。

そもそも松平ドナルドがハンバーガーを170文に値上げをしたので光秀様は高いといい買わなかったそうです」

「そうか、では信長様は儂が説得してみよう。さてどうするか、そうじゃ!」

儂はその男の耳元に口を近づけて用事を頼んだ。


饗応の間に駆けつけるとまさに信長が光秀の首を刎ねんとしていたところであった。

「信長様、お待ちください。まずは目を瞑ってこれを口の中へ」

「なんじゃ禿げ鼠か。また何か企んでいるのか、まあよい」

そう言って目を瞑った信長の口に儂は懐から出したあるものをねじ込んだ

「うみゃああああ、これはハンバーガーではないか!何故に?ハンバーガーはないはずじゃ」

「家康様も是非これを」

「おうよ!これはハンバーガーではないか、もぐもぐ」

「秀吉よ!よくやった。しかし光秀よ。ハンバーガーがないとか嘘を申したな!」

「いえ、信長様、これはハンバーガーではありません。これはパンバーガーというものなのです」

「パンバーガー?一体それはなんじゃ?」

「これは信長様もご存じの丸新ハンバーグ、3個入りで250文ですが私が贔屓にしている堺の商人から鮮度切れに近いものを120文で買いました。だから1個40文です」

「ふむふむなるほど。しかしそれはいつでも買えるものではなかろう」

「さすがは信長様、さようです。ですが業務スーパーであれば冷凍のハンバーグを1個40文で買えるのです。そしてこれは業務スーパーで買った食パン。8枚切りで80文なので1枚10文。

ですのでこのハンバーグをパンで挟めばなんと60文でハンバーガーを味わうことができるのです!」

「でかしたぞ!禿げ鼠!中国5カ国をくれてやる。しかし許せんのは松平ドナルドじゃ!

奴らはハンバーガーをむやみに値上げしさらにその利益を毛利に渡していると聞くが・・」

「はい、まさに毛利と松平ドナルドは一体であるとこの禿げは睨んでおります

ですので毛利に利さないように松平ドナルドを不買した光秀殿の行動は理に適っておると」

「なるほど、では光秀を許すことにしよう」

「は、羽柴殿!かたじけのうござる、この恩は一生忘れん」深く頭をさげる光秀

「なんのこれしき、光秀殿、頭を上げて下され」

「よし、禿げ鼠と光秀よ!すべての松平ドナルドに火をかけて皆殺しにせよ!」

「信長様、お待ちください。松平ドナルドは無数にあります。それを一つ一つ潰すのは兵の分散と消耗になります。この禿げによい考えがあります」

「なんじゃ!禿げ申してみろ」

「草のものを放ちパンバーガーを民に普及させるのです。さすれば民は松平ドナルドなどに見向きもしなくなり、自然と潰れましょう」

「流石は禿げじゃ!もはやこの信長の天下統一はなったも同然。兵を集めよ。勝鬨を上げるのじゃ!」

「なんともお気の早い。まあよいでしょ」

信長の前に織田信長軍全軍が参集して勝鬨を上げる

「パンバーガーで松平ドナルドをやっつけるぞ!エイエイオー!」

「パンバーガーで天下を統一するぞ!エイエイオー!」

兵たちのエイエイオー!は数時間経っても終わることはなかった。

そして数カ月の後、松平ドナルドは倒産しそこから資金を得ていた毛利は降伏した。

信長に敵対していた勢力も次々と降伏し、天下統一が成ったのである。

信長と秀吉は戦をせずにパンバーガーによって天下統一を成し遂げた英雄としてその名を深く歴史に刻んだのでした。


めでたし めでたし

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