第2話 俺が牟田口廉也に転生してインパール作戦を成功に導きます!
うだるような暑さに目が覚めると俺はテントの中にいた。
何故こんなところに・・・俺は夢を見ているのか・・・
「司令!司令!」
「どうした?中に入れ」俺を呼んでいると思しき声に応える俺
しかし暑いな、そう思い頭に手をやる
んっ 何故だ!?
俺は自分の頭がつるっぱげになっている事に気づく
そして自分がちんちくんの体形になっていることにも
記録映画で見た旧日本軍の軍服姿の将校らしき男が俺に頭を下げる。
「牟田口司令、わが軍の士気が著しく低下しており将兵がいまにも暴動を起こしそうなのです!」
なに!?
牟田口?牟田口と言えばやはりあいつか
俺はあの日本最悪の愚将牟田口廉也に転生したのか?
「あ、頭がいたい!俺は誰だ!ここはどこだ?!」
俺は頭を抱えて叫ぶ。もちろんこれは記憶喪失を装ったのだ。
そしてその将校はそれを信じて俺に色々と教えてくれた。
どうも俺が転生した世界は俺の以前いた世界、2024年の日本と太平洋戦争時のアジアが混ざった世界のようだ。
日本は中国と英国と戦争しているがまだアメリカとは戦火が開かれていない
俺の知っている日本の歴史とは少し違っているようだ。
「思い出したぞ。俺は帝国陸軍中将牟田口廉也である。ところで一体何が起こっているのだ?」
「牟田口司令、松健奈留度がまたハンバーガーを値上げしたのであります。
ハンバーガーが1個1円70銭になったのであります
将兵たちはハンバーガーが食えなければ戦えないと騒いでおるのであります」
「何故、松健奈留度でハンバーガーを買う必要がある?食糧は補給されてないのか?」
「はぁ?『補給など不要。糧食は現地調達せよ。松健奈留度があるだろ、そこで買えよ』そうご命令されたのは司令官閣下ですが・・・」
・・あ、そうなのか?この世界でも牟田口廉也は低脳なんだな・・
・・しかしこのままでは俺は日本一無能な将軍として名を残し戦後は焼肉店を経営することになってしまう・・・
それはまずい
「よし、将兵には俺から話をしよう。しかしその前に買い物を頼まれてくれ」
俺はその将校に買い物を頼んだ
俺はテントを出て将兵たちの前に立った
「あ、牟田口中将だ!なぜ?」
将兵たちは驚いた、牟田口は普段は芸者遊びにうつつを抜かし将兵の前に姿を見せることがなかったからだ
静まり返る将兵に向けて俺はゆっくりと話し出す
「お前たちに松健奈留度のハンバーガーを食べさせられないのは儂の失態じゃ、まずは謝罪をさせてくれ」
俺は深々を頭を下げる。そして顔を上げて声をはる。
「しかし安心して欲しい、松健奈留度のハンバーガーがなければパンバーガーを食べればいいのだ!」
「牟田口司令!パンバーガーとはパンバーガーとは何ですか?」兵士の一人が質問する。
俺は将校に頼んだ買い物を袋から出して掲げる
「お前たち、これはマルシンハンバーグだ。マルシンハンバーグは3個入りで2円50銭くらいだが、私の使っている安売り食品店で1円20銭で買える。だから1個40銭だ」
「牟田口司令、部隊によってはそんな安売り店はないのです」
「そうだろうな。しかし業務用スーパーがあれば冷凍のハンバーグは1個40銭で買える!」
「なるほど!」
「これをご覧あれ、これは業務スーパーの8枚切りの食パンだ、80銭じゃから1枚あたり10銭」
「む、牟田口司令様ほどのお方が業務スーパーや安売り食品店を知っているとは!」
「40銭のハンバーグに1枚10銭の食パンで挟む。そうすれば60銭でハンバーガーを味わうことができる。これがパンバーガーなのじゃ!」
「ハンバーガーなら1円70銭。しかしパンバーガーなら60銭!」
「そんな素晴らしいことを教えてくれるなんて、さすがは牟田口司令だ!」
将兵たちは口々に牟田口廉也とパンバーガーを褒めたたえる
「牟田口司令は救世主じゃ!しかし許せんのは松健奈留度だ」
「松健奈留度にりゅう弾砲をぶちこめ!」
「松健奈留度の経営者を捕えて裁判なしで射殺しろ!」
将兵たちの怒りは一気に松健奈留度に向かった
「お前たち!静粛にしろ!怒りはわかるが戦場での略奪などはご法度じゃ!!」
「牟田口司令、それでは俺たちの怒りはどうすればいいのですか!」
「不買じゃ。お前たちが松健奈留度を利用することをやめる。クーポンなどに惑わされない!
そして何よりパンバーガーをお前たちが各部隊に普及することが松健奈留度をやっつけることになるのじゃ」
「そうか!牟田口司令、分かりました。松健奈留度はもう行きません」
「不買で松健奈留度をやっつけるぞ!ついでにインド英国連合軍もやっつけるぞ、エイエイオー!」
「パンバーガーで松健奈留度をやっつけるぞ!あとインド英国連合軍もやっつけるぞ、エイエイオー!」
将兵たちのエイエイオー!は数時間も続いた
そして数カ月の後、松健奈留度は倒産しインド英国連合軍を撃破した日本軍はインドを解放した。
牟田口廉也は英国の帝国主義を打破してインド民衆を解放し松健奈留度をやっつけた事でその名を長く歴史に刻んだのでした。
めでたし めでたし
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