干しそばくんと呼ばれた俺が転生して世界を平和にします
干しそばくんと言われた男
第1話 俺がマリーアントワネットに転生して革命を防ぎます!
外の騒がしさに目が覚めると俺は豪華な寝台の上にいた
何故こんなところに・・・俺は夢を見ているのか・・・
トン!トン!トン!
「どうぞ中へ」ドアをノックする音に応える俺
んっ 何故だ!?
俺は自分の声が女性の声になっている事に気づく
さらに自分の喋っている言葉がフランス語になっているのだ
そしてまるで中世の貴族のような装束の初老の男性が部屋に入りうやうやしく俺に頭を下げる
「マリーアントワネット様、外が騒がしゅうなっております」
なに!?
マリーアントワネット?
もしかして俺はあのマリーアントワネットに転生したのか?
「あ、頭がいたのですわ!私は誰ですの!ここはどこですの?!」
俺は頭を抱えて叫ぶ。記憶喪失を装ったのだ。
すると初老の男性(彼は執事らしい)はそれを信じて俺に色々と教えてくれる。
どうも俺が転生された世界は俺の以前いた世界、2024年の日本と革命直前のフランスが混ざった世界のようだ。
「思い出しましたわ。わたくしはマリーアントワネットですわ。ところで外の騒ぎはなんですの!」
「マリーアントワネット様、マッケンヌルドがまたハンバーガーを値上げしたのであります。
ハンバーガーが1個170フランなのです。
民衆はハンバーガーを返せと暴動を起こしているのです」
これはフランス革命ではないか!
やばい、このままでは俺はギロチンで処刑されてしまう!
そんなのはいやだ
「わたくしが民衆に説得をいたします。しかしその前にお願いあります」
俺は執事に買い物を頼んだ
俺は宮殿のバルコニーの前に立った
「あ、マリーアントワネットだ!なぜ?」
民衆たちは驚いた、マリーアントワネットが民衆の前に姿を見せることがなかったからだ
静まり返る民衆に向けて俺はゆっくりと話し出す
「皆さんがマッケンヌルドのハンバーガーを食べれなくなったこと、ご心痛を察します」
俺は深々を頭を下げる。そして顔を上げて声をはる。
「しかしご安心下さい、マッケンヌルドのハンバーガーがなければパンバーガーを食べればいいのです!」
「マリーアントワネット様!パンバーガーとはパンバーガーとか何ですか?」民衆の一人が質問する。
俺は執事に頼んだ買い物を袋から出して掲げる
「皆様、これはマルシンハンバーグです。マルシンハンバーグは3個入りで250フランくらいですが、私の使っている安売り食品店で120フランで買えます。ですから1個40フランです」
「アントワネット様、そんな安売り店は我々の家の近くにないのです」
「そうですか。でも業務用スーパーがあれば冷凍のハンバーグは1個40フランで買えます」
「なるほど」
「これをご覧下さい、これは業務スーパーの8枚切りの食パンです、80フランですから1枚あたり10フラン」
「マ、マリーアントワネット様ほどのお方が業務スーパーや安売り食品店を知っているとは!」
「40フランのハンバーグに1枚10フランの食パンで挟む。そうすれば60フランでハンバーガーを味わうことができる。これがパンバーガーなのです!」
「ハンバーガーなら170フラン。しかしパンバーガーなら60フラン!」
「そんな素晴らしいことを教えてくれるなんて、さすがはマリーアントワネット様だ!」
民衆たちは口々にマリーアントワネットとパンバーガーを褒めたたえる
「マリーアントワネット様は救世主じゃ!しかし許せんのはマッケンヌルドだ」
「マッケンヌルドを焼き討ちにしてやる!」
「マッケンヌルドの経営者を捕えてギロチンにかけろ!」
民衆たちの怒りは一気にマッケンヌルドに向かった
「皆様!ご静粛に!いかなる場合でも暴力はいけません!」
「マリーアントワネット様、それでは俺たちの怒りはどうすればいいのですか!」
「不買です。皆様がマッケンヌルドを利用することをやめる。クーポンなどに惑わされない!
そして何よりパンバーガーを皆さまが普及することがマッケンヌルドをやっつけることになるのです」
「そうか!マリーアントワネット様、分かりました。マッケンヌルドはもう行きません」
「不買でマッケンヌルドをやっつけるぞ!エイエイオー!」
「パンバーガーでマッケンヌルドをやっつけるぞ!エイエイオー!」
民衆たちのエイエイオー!は数時間も続いた
そして数カ月の後、マッケンヌルドは倒産したのであった。
マリーアントワネットは革命を防ぎ民衆を虐めるマッケンヌルドをやっつけた事でその名を長く歴史に刻んだのでした。
めでたし めでたし
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