EP6: angelic endroll.
6-1
コンテナの奥には、〈ロゴス〉との戦闘で破壊された一番機の代わりに、理亜のために用意されていた〈XM17アーヴィン〉
今回の〈アーヴィン〉は比較的軽装だった。
右手用にはM807二十ミリアサルトライフル砲。第五世代機である〈アーヴィン〉は機体にマガジン交換をさせることが可能だったが、今作戦ではその余裕すらないことが予想されたため、
左手用にはBAW-66グレネードランチャー。こちらも装弾数を
機体背部には
そんな〈アーヴィン〉を
「大体は計算通りかな。お
「そうなんですか」
理亜は身体のラインに
「上手くいかない場面もあったけどね」
そう言って、理亜が苦笑いを浮かべる。二人は昼間の戦闘――〈ロゴス〉と〈アーヴィン〉で戦ったときのことを話していた。
「でも、最後の一発だけは絶対
理亜がにへらと笑う。
最後の一発、とはボロボロの〈アーヴィン〉による右ストレートのことだろう。理亜は元からあの一発を最後に戦闘を終わらせる計画だったらしい。
「あんなの
「そうだね。
「裏技?」
「芙蓉くんはさ、本質的に素直で
「それは……そうかも」
「だから事象視覚の発動が遅れた。その
ドヤ顔をした理亜が、えっへんと胸を
「ほんとは体育館で決着をつける予定だったんだけどね。芙蓉くんが見たことない武器出してくるから
「
「そう、それ! ……まあいいけど。それはともかく、シェキナー使って本気で
それを聞いて芙蓉は納得した。巨大な無反動砲を持ち出したのは、〈ロゴス〉を吹き飛ばして体育館に
「だとしたら、理亜さんは最初から体育館に行けばよかったんじゃないですか」
「いや、それやってたら
「そんな簡単に――」
「簡単じゃないよお~」
力なく天井を
「どんな戦術をとるにしても、確実に一回はシェキナーを
あはは、と
彼女はそれに命を
「……実は、ロゴスには
芙蓉が言った。
『理亜の信頼を裏切るな』
彼は数十分前のマカールの言葉を思い出したのだ。
「ロゴスには
「ロゴスは抜け道からこっそり
理亜がそう返すと、芙蓉が
「そうです。そして、使いすぎると抜け道がバレてしまうことが、使用上限が決められてる理由です。でも、一回だけなら、上限を超えて
「六十六秒たつとどうなっちゃうの?」
「
たった六十六秒のオーバードライヴ。そして、その先に待つのは
〈ロゴス〉は
けれど、全て終わったことだ。
もう七彩は帰ってこない、その事実がようやく受け入れられた気がする。だから、たとえ〈ロゴス〉を失ったとしても、
「もしもの時は、これを使ってどうにか――」
「大丈夫だよ」
芙蓉の
「そんなの使わなくたってうまくいく。先輩に任せとけって。でも、教えてくれてありがとね。頭の
「……はい」
「芙蓉くんのことも
「もちろんです」
芙蓉が
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