死神

風馬

第1話

長く、長く眠っていたような気がする。

ふと、目を覚ました枕もとには、死んだはずの旦那が立っていた。

「どうしたの…?」

「迎えに来たよ。」

「迎えって?」

「もう、あの世に行くころだよ。」

「あの世?私、死ぬの?」

「あぁ、もうすぐね。」


「でも、まだ、行けないわ。息子たちのことが気になるの…。」

「そうか…。気が済むまで待っているよ。」

「あの子たち、大丈夫かしら?」

「…。」


そう言って、再び眠りについた。



どのくらい時間が経っただろうか?



再び目を覚ました。


「行くわ。」

「決心がついたんだね。」

「えぇ、夢を見ていたの。」

「どんな?」

「私が死神になって息子達を迎えに行く夢。おかしいのよ。二人とも同じことを言ったわ。やっぱり、兄弟ね。」

「なんて言ったの。」


「僕たち、お母さんの看病しているとき、ずっと一緒にいて起きるのを待ってたけど、喧嘩しなかったからねって。」

「子供のころから仲が良かったからな。」

「うん。だから、安心したの。今度はあの世であなたと一緒に子供たちを待って居ようって。」

「そうだな。じゃ、行こうか…。」



こうして、ネフローゼ症候群を患った母は、旅立ちました。

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死神 風馬 @pervect0731

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