第10話 答え合わせ
ぇ、、ぁ、、どうし、、て、、?
胸の部分を握りしめながら、はぁはぁと過呼吸になるのを精一杯沈めようとする。
なんで兄が、、?
それよりもまず、どうしてあかねさんは連れてきたの、、?
その場にぺたんと座り込む私。足に力が入らない。涙で潤んだ目で二人を見上げた。兄と何か話していたが、何も聞こえなかった。
あなたは、私の味方ではなかったの、、?
あかねさんが近づいてくる、兄はキレながら外へ出て行ったみたいだ。
「な、、なんで、、」
声を振り絞り、聞いた。
正直言うと本音を聞くのは怖かった。〝小羽を苦しめたかったから″なんて言われたらそれこそ二度と立ち上がれない状態になってしまいそうだったから。
けれど、それ以上にあなたの口から本当のことを言って欲しかった。
「ごめん、ごめんなさい、本当に。小羽の口からまずは聞くべきだった。」
そう言いながら、私を抱きしめた後正面に座り、何かを決心したような顔で話し始める。
「実は、高校の頃真崎とは遊びで付き合っていたの」
「え、、?」
「私ね、高校の頃から、すでに小羽の事が好きだったの。けれど、小羽は何かに囚われているかのように誰とも関係を持たなかったし、持とうとしていなかったでしょ?」
あぁ、兄に触られる日々が続いてて、丁度体調や精神に影響がで始めた頃のことかな、、、?
「それで、どうやったら仲良く出来るか考えていた時に、小羽のお兄さん、真崎に告白されたの」
「あ、兄に変なことされませんでしたか、、?!」
私は身を乗り出して、口走ってしまっていた。
あかねさんは一瞬驚いた顔を見せたけど、すぐに微笑んで、「大丈夫、手すら繋いだこともないから」と言ってくれた。
あかねさんは浅く呼吸をして再度話し始めた。
「付き合い始めて少し経ってから、あなたの何かに囚われているような雰囲気の原因は真崎にあるんじゃないかなって思い始めたの。確信は家に一回遊びに行った時。小羽は気づいてなかったと思うけど、真崎が近づく度、目をギュッて閉じてたでしょ」
え、、嘘、、私そんな事してたの、、?
「それで、真崎に問い詰めようとしてたんだけど、毎回はぐらかされちゃって、結局聞き出せないまま、真崎が卒業するのと同時に別れたの。
小羽に早く聞けばよかったのに、今日の小羽を見て、早く真崎の存在消してあげたいって思ったの。私が仲介に入れば大丈夫だと思って真崎を含めた三人で話そうと思ってたんだけど、小羽が真崎の顔をみた途端に泣きかけるほど傷ついていたなんて。。結果、私の早とちりで小羽を傷つけてしまった。。本当にごめんなさい。。」
そう言い終えたあかねさんをみて、私は思わず抱きついていた。
あぁ、良かった、あなたは、あかねさんはずっと私だけを見てくれていたんだ。
あかねさんは慌てていたけど、無視してあかねさんの胸の中にいた。しばらくハグし続けていたら、あかねさんの手も伸びてきて、背中をぽんぽんと撫でてくれた。
その手の暖かさが嬉しくて、優しくて、気づけば眠っていた。
あぁずっと包まれていたい。
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