第6話 どうして
愛してる、、?それってつまり、、そういう意味で、、?兄と付き合ってたあかねさんが、、?
「え、、愛してるって、そういう意味で、、ですか、、?」
恐る恐る聞いてみる。正直、熱と今の衝撃発言からクラクラしていたが、これだけは聞いておきたかった。
あかねさんは起き上がっていた私をベッドにゆっくり寝かせ、手を優しく握りながら囁くように話しかけてくる。
「うん、もちろん♡だけど、私も今すぐ返事が貰えるとは思ってないよ。今熱引いちゃってるし、真崎の事も悩んでると思うからね。だからとりあえず、小羽を堕とそうと思ってるの♡」
え、、?なんで、、兄の事、、知って、、?
てか、堕とすって、、私、、を、、?
あかねさんの爆弾発言に遂にキャパオーバーを起こした私の脳はそこで深い闇へと意識を落とした。。
ー数分後ー
意外とすぐに目が覚めた私。というか、あかねさんに起こされたらしい。さっきの事があってか若干たどたどしくなってしまう。。
「あ、ごめんね?起こしちゃって。顔真っ赤だったからさ。熱が悪化しちゃう前に水飲ませてあげようと思って。」
私を起き上がらせ、水を差し出し、にこにこしながらそんなことを言ってくるあかねさん。いやもうホント、、その笑顔で十分です、、
「はい、ゆっくり飲んでね?」
「ひゃ、、ひゃい、」
顔が、、近いぃ、、、
いやいや、堕とされるな自分、!気をしっかりもつんだ、、!ただ、私が風邪ひいて弱ってる所に駆けつけて、面倒見てくださってる、、だけ、、で、、
。。。もう十分じゃない、、?
いやダメだダメだ。自分の事もままならない人間が人を愛す資格なんてないし、何よりもあかねさんを幸せにできる自信なんて自分には無い。
そんなこんなで水飲みタイムが終わった。。
「今度は体拭かなきゃね。動くのはどう?辛い?」
「えっ、あ、ダ、ダイジョウブ、、デス、、」
ん?ちょっと待った。か、か、体?!あかねさんに拭かれるってコト?!まずいまずいまずいぃ、
水を飲まされたのに呆気を取られてて、つい条件反射で返事してしまった。。アホなの自分?!
わちゃわちゃしていたら、タオルとお湯の入った入れ物を持ったあかねさんが戻ってきていた。
仕事が早い、、
「ふふっ、慌てちゃってどうしたの?小羽は可愛いね」
「うぐっ、、、!」
てか、さっきから思ってたんだけど、なんで呼び捨てになってるの、、??
名前呼ばれる度にもドキドキしちゃうじゃん、!うぅ、鎮まれ私ぃ、!
それよりも、この拭かれようとしている状況をどうにかしないと。
ご存知の通り、私は触られると拒絶反応が出てしまうのである。今はさっきよりも水を飲んだことにより体調がよくなっているから、さらに強く押してしまうかもしれない。
「あ、あかねさん、!わ、私に、さ、触っちゃダメです、、!」
「あぁ、さっきの事ね?大丈夫よ。私に考えがあるの。」
「へ、?」
そう言いながら、私にジリジリと近づいてくるあかねさん。私は思わず壁の方へと距離をとってしまう。
いやだ。こないで。さわってほしくないの。
気づけば壁際まできていた。ギュッと目を瞑る。もう逃げられない。
「小羽、好きだよ」
そんな優しい声が聞こえた。その声と同時に私は思いっきりハグされた。
拒絶反応は、でなかった、、自分でもなぜだか分からなかった。
ただ、ずっとずっと固まっていた氷が溶け落ちていくような感覚に陥っていた。
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