第五話 どうして

 愛してる、、?それってつまり、、そういう意味で、、?兄と付き合ってたあかねさんが、、?


「え、、好きって、、あっちの意味で、、ですか、、?」


恐る恐る聞いてみる私。正直熱と今の衝撃からクラクラしていたが、これだけは聞いておきたかった。


 あかねさんは起き上がっていた私をベッドにゆっくり寝かせ、手を優しく握りながら囁くようにこう言ってきた。


「うん、もちろん。だけど、私も今すぐ返事が貰えるとは思ってないよ。というか小羽、今熱引いてるし、真崎との事も根に持ってるだろうし、女性とのお付き合いなんて、とかも考えちゃうタイプでしょ?だから、私はあなたをあらゆる手で堕としにかかるから、覚悟しててね♪」


え、、あ、、へ、、?

なんで、、兄との事、、知って、、?

てか、、私の、、こと、、堕としに、、くるの、、?


あかねさんの発言に遂にキャパオーバーを起こした私の頭はそこで止まり、深い闇へと意識を落とした。。


「もう考えなくていいからね」


そんな意識の中最後にあかねさんが、何かを言っていたが聞き取る体力は、もうの残っていなかった








ー数分後ー


 意外とすぐに目が覚めたらしい私。というか、あかねさんに起こされました。。さっきの事があってか若干たどたどしくなってしまう。。

 

「あ、ごめんね?起こしちゃって。顔真っ赤だったからさ。熱が悪化しちゃう前に水飲ませてあげようと思って。」


私を起き上がらせ、水を差し出し、にこにこしながらそんなことを言ってくるあかねさん。いやもうホント、、その笑顔で十分です、、


「はい、ゆっくり飲んでね?」


「ひゃ、、ひゃい、」


顔が、、近いぃ、、、

いやいや、堕とされるな自分、!気をしっかりもつんだ、、!ただ、私が風邪ひいて弱ってる所に駆けつけて、面倒見てくださってる、、だけ、、で、、  

。。。もう十分じゃない、、?彼女としてさ、?


あ、いやダメだダメだ。私にはまだやらないといけない事があったんだ。


そんなこんなでドキドキ水飲みタイムが終わった私達。


「今度は体拭かなきゃね。動くのはどう?辛い?」


「えっ、あ、ダ、ダイジョウブ、、デス、、」


 ん?ちょっと待った。か、か、体?!あかねさんに拭かれるってコト?!まずいまずいまずいぃ、

水を飲まされたのに呆気を取られてて、つい条件反射で返事してしまった。。。アホなの自分?!


 わちゃわちゃしていたら、タオルとお湯の入った入れ物を持ったあかねさんが戻ってきていた。


「ふふっ、わちゃわちゃしてどうしたの?小羽は可愛いね」


「うぐっ、、、!」


 そんなイケメン台詞をさらっと言われ、軽く昇天しかけてしまう私。てか、さっきから思ってたんだけど、なんで呼び捨てになってるの、、??

 名前呼ばれる度にもドキドキしちゃうじゃない、、!うぅ、鎮まれ私ぃ、!


というか、この拭かれようとしている状況をどうにかしないと。ご存知の通り、私は触られると拒絶反応が出てしまうのである。今はさっきよりも水を飲んだことにより体調がよくなっているから、さらに強く押してしまうかもしれない。


「あ、あかねさん、!わ、私に、さ、触っちゃダメです、、」


「あぁ、さっきの事ね?大丈夫よ。私に考えがあるの。」


「へ、?」


そう言いながら、私にジリジリと近づいてくるあかねさん。私は思わず壁の方へと距離をとってしまう。


 いやだ。こないで。さわってほしくないの。


気づけば壁際まできていた。ギュッと目を瞑る。もう逃げられない。そう思って。



「小羽、好きだよ」



そんな優しい声が聞こえた。その声と同時に私は思いっきりハグされた。



拒絶反応は、でなかった、、自分でもなぜだか分からなかった。


ただ、ずっと固まっていた氷が溶け落ちていくような感覚に陥っていた。











 

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