第3話 遊びの約束
あかねさんに連絡先を交換してもらった夜、ベッドで一人舞い上がっていた。
素直に嬉しい。高校ではそれらしいことは出来なかったから、大学では友達と遊んでみたり、新しい経験をしたい。
これからの大学生活にワクワクしていると、手に持っていたスマホがピコンッという音を立てながら画面が光った。
「、、?なんだろう?」
スマホを見てみると、そこにはあかねさんから「今週末遊ばない?」というメールが送られてきていた。
それを見た途端嬉しい気持ちと共に不安な気持ちが込み上げてきていた。
実は、高校どころか中学生の頃ですらまともに私は友達と遊んだことがない。
そんな私が上手く空気を保たせる事ができるのかな、、
いいや、!そんな過去を塗り替える為に家から少し遠めの女子大にやってきたんだ。
とりあえずごちゃごちゃ考えるのを止める事にして、あかねさんから連絡が来てから数分後にやっと「遊びます!」と返信した。
そこから数分もしないうちにあかねさんから返信が帰ってきた。
「やった〜!急に誘ったから断られるかと思ってたから嬉しい♡それじゃあ今週末、大学の近くの駅前に集合ね〜」
自分で返信しといてなんだけど、やっぱり断れば良かったかな、
ううん!頑張るんだ私!早くあかねさんと仲良くなって、嫌なことを忘れるんだ。
これが第一歩、そう自分に言い聞かせて眠りについた。
ー週末の朝ー
五月蝿く鳴る目覚まし時計を止め、朝に弱いながらも、準備をしようと体を動かしたいのだが、動かない。
あ、あれ、、?なんで、、?と思いながらいつもより重たい体を持ち上げてキッチンまで行き、熱を測る。
ピピピピッという音が鳴ったのを確認して、ぼやけた目で恐る恐る体温計を見ると、38.4°と表示されていた。
う、へ、、?嘘でしょ、、?熱、、?
今まであまり風をひかないタイプだったのに、、
と、とりあえず、熱を引いてしまったからには仕方ない、、
あ、あかねさんに早く、、連絡をしなく、、ては。。。
そう思いながら電話をとった途端、ベッドに倒れ込む形で意識を落としてしまった。。
「ん、、う、?」
うっ、、頭がズキズキする。視界もぼやけているし、結構熱が出たっぽい、どのくらい寝ちゃってたんだろう、、?
「とりあえず、あかねさんに、連絡しないと、」
そう思い、ベッドにほっぽったスマホを手探り取り画面を見ると、時刻は九時五十分だった。
早く連絡しないと、、!と、覚束ない手で電話をかける。
三コールもしないうちにあかねさんは電話に出てくれた。
「あの、、あかりさん、、今日熱出しちゃって、遊べそうにないです、、本当にごめんなさい、、」
若干半泣きな声になりながらも、最低限伝えたいことは伝えた私。
流石に初の遊びのお誘いをドタキャンなんて怒られるかなと思い、身構えていた私にあかりさんはこう言ったのだ。
「。。。小羽の家どこ?」
え?どういうこと?
「え、、えっと、、」
私が言うのを躊躇っていると、、
「小羽の家どこなの?お見舞いに行くから教えて?」
なんだか圧のある言い方が怖くて、思わず自分の家の場所を口にしてしまっていた。
「え、駅から真っ直ぐ十分くらい歩いて着くアパートです、、」
「分かった。すぐ行くから待っててね」
かくして、あかねさんが家に来ることになってしまったのである。。。
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