第2話悪魔のこと Part1
不思議で気持ちいい気分だ。生きているんなら今すぐ悪魔を倒す任務につかなければいけないのに。このまま誰かに起こされなかったなら死ぬまでこうして眠っていたい。
そんなことを考えていると昔父親によく言われていた言葉をふと思い出した。
「そんなにだらだらしていたら怠惰の悪魔になってしまうぞ。」
厳しくも優しく育ててくれた父親の言葉を無視するわけにもいかない。私は目を開けた。
てっきり拷問具かなんかの中に入れられていると思ったらそこは天空に浮かぶ1つの小さな島だった。大きな木の根元に寝かされていて体の下の緑色の雑草が心地よかった。涼しい風が吹いていて太陽が葉っぱの間から覗いている。思わず歌を口ずさんでしまうような天気だ。立ち上がり服についていた土を落とす。近くに悪魔がいるかもしれないのに自分でも驚くほど落ち着いて行動できてしまう。朧気だった視界が次第にはっきりしてくる。すると少し離れた木の根元に悪魔が座ってうつらうつらしながら本を読んでいた。
「おはよう天使ちゃん。」
「すごくいい気分で眠れたでしょう?君は他の天使に比べてストレスの量がとても多かったからね。結構、魔力を使わないと気持ちよくさせれなかったから疲れちゃった。」
悪魔は微笑んで言った。
「なんで殺さないの?」
私の口からそんな言葉が出てきた。
悪魔は天使を殺して世界を支配しようとする。
こんなこと誰でもしっていることだ。
なのにどうして?
わからないことだらけだ。
「はぁ」
悪魔はため息をついた。
「悪魔と天使とは長い付き合いなのにいまだに天使は悪魔の事を何にもわかってない。」
さも残念そうに言った。
お姉さん、と悪魔が言った。
「私が悪魔の事教えてあげるよ」
いたずらっぽく笑った。
悪魔と天使 @marusima
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。悪魔と天使の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます