12月9日 蝶の標本
花園区域を出る前に、雑貨屋に寄っていきましょう。蜘蛛織の品々に、銀桜の押し花、蜂蜜菓子やお茶の追加も買えますし、ほら、あそこには蝶の標本も置いています。
蝶を標本にするのは、神殿では好まれません。死んでしまった蝶達は、神域内では手厚く葬られます。ただあの蝶は神域外の森や花畑にも普通に生息しているので、そういう個体を一般市民が標本にしたものが売られているんです。
熱心な信者には嫌な顔をされますが、鮮やかな漆黒に金の模様がとても美しいので、お好きならこっそり買ってもいいと思いますよ。あなたの故郷にはいない虫でしょうから、生物学的な観察用に、図鑑や虫眼鏡とセットにするのもおすすめです。
剥製や標本といった文化はこちらではあまり一般的ではありませんが、こうしてよくよく探せば見つけることができます。そういうものを作れる職人そのものは存在しているので、塔の中には世界中のあらゆる生き物の標本が揃った部屋がある、なんて噂もありますね。実際、「無傷で持ち帰れ」という依頼は定期的に出るそうなので、そういう依頼で納品された黒怪は、どこかで剥製になっているのかもしれません。
剥製はなかなか手に入りませんが、角や毛皮を使ったアクセサリーや衣服はわりかしどの区域でも作られています。冬の区域に入る時には防寒具として外套やマフラーを買いに行きましょう。いえ、まだ要りません。次に向かうのは夏の区域です。むしろ涼しい服を調達しておきましょうか。
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