第27話 二の腕ったら二の腕。異論は認めない。

「ソンさん。今日もよろしくお願いします!」


「ヨロシクネー」


 今日も穂乃果さんと一緒に天国で地獄な時間が始まる。俺は死んだ目のまま、右手を穂乃果さんの方へと差し出した。


「………………………………ぁ♡………………………………………………………………………………………………あ、これ……………………やっぱり、そうだ…………………………………………………んうっ♡」


 まるで何かを確かめるように、穂乃果さんが俺の右手にさわさわと触れたあと、すぐに手を離した。


「……ねぇ、ソンさん?」


「ナンデースカー?」


「貴方は、ソンさんですよね?」


「ソウデースヨー?」


「……クスクス。今日もお願いしますね、ソンさん」


「ハーイ。ガンバリマーショー」


 再び俺の手に触れる穂乃果さん。どこか、さっきよりも丁寧で、それでいて積極的な気がする。


「…………………………ん♡………………………………………………………………………………ハム♡んんんんんっ♡♡♡♡♡♡♡♡」


「!?」


 ほ、穂乃果さーーーん!? 今何しましたあああぁぁぁ!?

 

「アノ、穂乃果サーン?」


「何も、何もしていないですよ。手を、触っているだけです」


「……ソーデスカ」


 暗くて見えないけど、いま絶対柔らかくて少し湿った何かに触れた。絶対ハムってされた。でも確証はない、確証は無いのだ。暗くて見えないもん。


「ソンさんのおかげで、かなりレベルが上がってきました……んん♡…………もう少し、上がれば……………………………お母さんと、ダンジョンに行けそうです………………………っっっ♡♡♡」


「今ドノクライデースカー?」


「ろくじゅ………………………さぁん♡♡♡………………です………………ぁ♡…………………………………ちゅ♡んんんんんんんんっ♡♡♡♡………………………ろくじゅう、よんになりまひた♡♡♡」 


 今ちゅーしたよね!? 今俺の手にちゅーしたよね絶対!!


「たつ……ごほん! ソンさんのおかげで、何とかなりそうです。あの、これはお礼になるか分かりませんが……」


――ポニン


 右手が柔らかな何かに触れた。


「ん♡」


「ホ、穂乃果サーン……コレハ……?」


「ふふ、問題です。ソンさんは、私のどこに触っているでしょーか…………んぁ♡」


 穂乃果さんが両手で俺の腕を掴み、身体の何処かに俺の手を触れさせる。

 これ、おっぱ……おっぱ!? いや、だけどそんなことがあろうはずがないっ!!


「オーウ……ニノ腕デースカー?」


「…………………………んん♡……………………ふふ。えーっと…………正解です♡」


 二の腕ですよね!? この柔らかくて弾力のある塊は二の腕であってるんですよね!?


「えいっ♡」


――ポニン


「オ、オーウ……ニノウーデ……」


「はい♡ 二の腕です♡」


 だんだんと積極性を増していく穂乃果さんとのレベルアップはまだまだ続く。

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