第4話 ぞっこん

だけど、生活の事を思うと、幸也は、高給とりで、そのおかげで、私は、

ファミレスで働くのをやめる事が出来た。

それは、本当にいい事だった。しかも、あの最悪な実家から逃げ出せたのも大きかった。


しかし、優と会えなくなった事が、さみしくてしかたなかった。

優の、あのキラキラした、いかにも若々しい瞳を思い出した。

そうしたら、そのうち、夜の行いの最中、思い浮かべるのは、優になってしまって、

優と行為をしているような、気分にひたっていた。


こんなんじゃ、幸也に失礼だとは思いながらも、それをやめる事が出来なくなった。

もう、クセのように、定着してしまっていた。


なのに、幸也は、にぶいのか、全く、その事に気づいていないようだった。

私は、いよいよ罪悪感にかられた。

しかし、あの実家には戻りたくなかった。


由加に相談してみると、

「言っちゃってもいいんじゃない?幸也、真有にぞっこんみたいよ。大目に見てくれるでしょ。」


その由加の言葉、はげましを頼りに、幸也に言ってみた。

「ねえ。幸也。話があるんだけど、今、聞ける?」


幸也は、PCの前にいた。

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