第2話 まっさらな子
それでも、優は、しきりに仕事上の事を、相談してきて、私を慕ってくれていた。
しかし、私の彼氏は、それにひどく嫉妬して、優を呼びつけて、ぼこぼこにした。
それがわかったのは、あとからで、優が所々に包帯を巻いて仕事に来たところで、
彼氏に事情を問いただすと、白状した。
私は、彼氏をしかり、彼氏はと言えば、逆ギレして、
「そんなにアイツが大事か!勝手にしろ!」
と、捨てゼリフを吐いて、行ってしまった。
私は、元彼のかわりに、しきりに優に謝った。
優は、「大丈夫です。僕も悪いんで。」
と、言って、恐縮した。
そして、
「それに、真有さんの事、好きなのは事実です。」
私は、戸惑った。こんな、うぶな男の子に、そんな事を言われて。
私は、言った。
「山田君さあ。ホントの私、知ってる?」
優は、緊張し出した。
「ホントの私って、どういう私ですか?」
「私、狂ってるのよ。完全に。」
私は、なぜか涙が出てきた。
「あんたみたいな、まっさらな子に、私は似合わな過ぎるよ!」
そう言って、休憩室から立ち去った。
優と私は、それから全然話さなくなった。
すれ違っても、軽く会釈するだけになった。
帰宅すると、母親と父親が言い争っていた。
お皿の割れる音、かなきり声、罵声、私の精神は、限界にたっしていた。
はやく、この家から出たかった。
すると、友達の由加が、同棲を希望する男子を紹介してくれた。
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