月のない闇夜に出会うのは

第1話


その日、たまたまいつもより遅くなった塾の帰り。



普段は気にならない薄暗い路地裏で、とても何かが気になって引き寄せられるように進んだその先で。





風にたなびく銀色と宝石のように爛々と輝く赤。








私は多分、見てはいけない者《モノ》を見た─────……。






そう。




人ではない。けれど人と同じ姿をした




とても綺麗な怪物を。

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