.

───……それから。





再び車に乗り込み、走ること数十分。







「───…うわぁっ……!!!!」





窓から見える絶景に、彩は感嘆の声を上げた。





……そう。




ここはさっき彩の学校まで来る時に通って来た、有名な桜並木。




またここに戻って来た理由は単純明快。




どうしてもこの景色を彩に見せたかった。




……いや。




一緒に見たいって言った方が正しいかもしれない。







「───…綺麗やろ?


多分、今が一番綺麗な時期なんちゃうかなぁって思ってさ♪」





その桜並木の下に、ちょうど一面ブルーの海が見える。




……キラキラと。




海に煌めく光は白く、まるでダイヤモンドみたいに輝いて。





────…カチャッ





海を見た高揚感からか、俺は思わず車のドアを開け






「───…いける?」




「うっ、うん!!大丈夫!!」




助手席に座っている彩の手を引く。





────……ギュッ……。





君の小さな手が触れて胸が弾んだ時、我ながら何て大胆な事やってるんだろうと思った。





……でもさ、ほら。






「……ありがとう……。」





そう笑ってくれる君の笑顔を見たら、どうでもよくなるんだ。





「いーえ♪」





……こんな風に。




照れ隠しであっちを向いてしまう俺は、ほんとまだまだだ。

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