番長と大都市探索!

第28話

翌日、私は眠たい目を擦りながら、ノア同伴で執務室の扉をノックした。毎日異性の部屋で寝泊まりするなんておかしい! 直談判だ。


 今日はレオンが執務室でノアは私室、という形をとっているようだった。レオン不在の時は、ノアがレオンの代わりをしているのかもしれない。


 ノアと共に部屋に入った私を見たレオンは、真顔で問うてきた。


「何の用だ」

「話があるの」


 レオンがノアに目配せし、ノアが退出した所で、私はさっそく切り出す。


「これからも三人の誰かと夜を過ごすなんて無理! 私の疑いは晴れたんでしょう? 部屋が欲しいの」

「話さないなら部屋はやれないと言っただろうが。クリスティはともかく、ノアなら心配はいらない」

「でも、ノアに悪いし」

「要求ばかりするな。先ず自分から筋を通せ」


 全く話にならない。苛立った私は、ヤケクソで口を開く。


「じゃあ、エルドラに連れて行って」

「エルドラで何をする」

「服の生地や糸が買いたいの」

「……“特攻服”か。それについて何も話さないおまえに、協力しろと言うのか?」


 私が黙り込むと、レオンは席を立って私の目の前に来た。指先で顎をすくわれる。


「いいぜ、協力しても。おまえが俺に血を提供して、身体を許すならな」


 薄笑いで言われたあり得ない台詞に、頭にカッと血が上った。レオンの手を乱暴に払い除ける。


「私の血を飲んで、その……したいのなら、誠意を示して! 私はモノじゃない。私は好きな人としか、そういうことはしない!」


 私は挑むように、レオンをキッと睨みつけた。


「特攻服は私の世界で、番長って呼ばれる強い人と、その仲間が揃って着るものなの。私はそれを、レオンに着て欲しい」

「なぜ俺が?」

「あなたが強いから。私の理想の番長だと思ったから」

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