「簡単に脱げちゃうね」

第77話

「ごめん、謝るから食べて。君が苦しみながら体を壊すのなんて見たくない」

「理央くん……」

「明日からまた、ダイエット用の食事も作るよ。うまく行くように、協力するから」

「でもこれ、ノンフライじゃなく油で揚げてるよね? 食べたらリバウンドしちゃうかも」

「大丈夫、炭水化物を食べすぎなければ問題ない。君、ちょっと根を詰めすぎ。そんなの長続きしないよ」

「それは、そうかもしれないけど」

「だよね。はい、あーん」


 コーンスープのスプーンを口元に突きつけられた乃亜は、渋々口を開く。と、スプーンの端が唇の横に当たって、スープが溢れてしまった。下唇から顎にかけて、トロリと伝い落ちていく。


「あ、ごめん。外しちゃったね。後ろからじゃ食べさせにくくて」


 垂れたスープが、露出した胸元にも落ちた。その様子をチラッと見た理央は、乃亜の脇に手を入れて立たせると、唇から顎にかけて舐めとるように舌を這わせた。


「っ!」


 胸元にも唇が落ちる。びくりと強張る乃亜の身体。服の襟をくいっと引っ張って舐めるので、今にも胸が見えてしまいそうだ。ぽっちゃりしているだけあって、乃亜の胸は大きめだ。


「理央くん、引っ張らないで。脱げちゃう」

「簡単に脱げちゃうね。……えっちな服だよね、これ。強調して見せつけてさ。君って可愛い顔してこんなの着るんだね」


 理央がさらに引っ張ったことで、服の締め付けから解放された胸が溢れた。慌てて隠そうとすると、手首を掴まれ阻止される。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る