第3話

乃亜の人生のピークは、15歳頃までだった。


 小さな頃から活発で、クラスの中心的人物。でも思春期を迎えて状況が一変。


 少女体型から大人体型へ……食欲に負けて太り出した頃、乃亜は交通事故に遭った。幸い怪我は軽症、でも顔には傷跡が残った。


 それから何もかもが上手くいかない人生が続いた。常に俯きがちの高校生活は、当然孤立していい思い出はない。


 卒業後は顔を隠せる工場でアルバイト。人との関わりを最小限に抑えた。


 やるせなかった。唯一の楽しみが食べること。


 太った身体、定職につけない転落人生。自覚するほどヤケになり、暴飲暴食は加速した。

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