第14話 香車☗
梨花は平安京の静かな街並みを歩きながら、古い歴史の息吹を感じていた。桜の花が舞い散る中、彼女はさまざまな風景や人々の営みを楽しみながら、次の手がかりを探していた。
「この街には、何か特別なものが隠されているはず…」梨花は自分に言い聞かせるように呟きながら、目を光らせて周囲を見渡した。
その時、彼女の視線が一本の香車にとまった。それは、平安時代の将棋に使われる駒の一つであり、独特の形をしていた。普通の香車とは異なり、細かい装飾が施され、まるで神秘的なオーラを放っている。
「これが平安大将棋に使われる香車…!」梨花は驚きと興奮を覚え、思わず駆け寄った。彼女はその香車を手に取ると、古い木の感触が手に伝わり、どこか懐かしい感覚が胸を満たした。
「もしかしたら、これが私の探していた手がかりになるかもしれない」と思った梨花は、周囲を見回しながら、香車を注意深く観察した。すると、香車の裏に小さな文字が刻まれていることに気づいた。
「『秘められた力を求める者よ、この香車を使いこなす時が来た』…なんて書いてあるのかしら?」梨花はその言葉の意味を考えながら、ふと思いついた。「もしかして、これを使えば平安大将棋の力を引き出せるのかも!」
彼女は香車を握りしめ、どこか高揚した気持ちで再び平安京の街を歩き出した。これが彼女の運命を変える鍵になるかもしれないという期待が、彼女の心を躍らせた。梨花は新たな冒険を胸に、さらなる手がかりを探し続けることに決めた。
鎌倉時代、塁は戦のための訓練を積む傍ら、運命に導かれるように平安京にたどり着いた。彼はこの地での目的を忘れず、平安大将棋の駒を手に入れるために、情報を集めていた。
ある日、彼は静かな小道を歩いていると、古びた道具屋の前に立ち寄った。店内には様々な古道具や将棋の駒が並べられている中で、塁の目に留まったのは一つの香車だった。
その香車は、他の駒とは一線を画す美しさを持っていた。細かい彫刻が施され、古代の魔法を宿しているかのように輝いている。塁はその香車に惹かれ、思わず手を伸ばした。
「これは、平安大将棋に使われる香車ですか?」塁は店主に尋ねた。
「そうじゃ。この香車は特別な力を秘めていると言われておる。使いこなす者には、運命を変える力を授けるとも」店主の言葉に、塁は興味を持った。
「運命を変える力…それがあれば、私の計画を進めることができるかもしれない。」塁は心の中で決意し、その香車を手に入れることを決めた。
香車を手に入れた塁は、興奮と期待を胸に秘め、店を後にした。これで彼は、平安大将棋の力を利用し、源氏のために戦う決意を新たにした。
「この香車を使いこなして、運命を切り拓いてみせる」塁は香車を握りしめ、再び戦の道へと進んでいくのだった。彼の冒険は、今まさに始まった。
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