第4話 槍以外暗殺に使いそう

「1層は敵がいないので、雑談しながら進みます。」


"他にゲームから窃盗したものは?"

"窃盗は草"

"犯罪者で草"

"だって、槍以外暗殺に使いそうだし..."

"確かに..."


「ちょっとー?名誉毀損ですよー?

まぁ、他に拝借したものはスライムゼリーぐらいですねー。」


"ゼリーw"

"拝借てw"

"スライムゼリーの味はどうだった?"


「普通に美味しかったですよ。普通にもっと食べたくなったからスライムをゲーム内でぶん殴りまくりました。」


"スライムをぶん殴りまくったてwwww"

"普通に普通じゃなさすぎて草"

"本来の粘性どこいったww"

"ね、粘性あっても吸収は出来ないから..."


「っと、この階段の先はくだりのスライムがいる層なので、スライム相手に拳含めて武器を試しましょうか。」


"あ"

"スライムくん逃げてー!"

"ゼリーにされるぞーw"

"「拳含めて」てww"


ダンジョンの層と層の間は無機質な階段で繋がれている。長さはダンジョンによってまちまち。ここは長くもなく短くもなく。


階段を下り終わると、1層と同じ岩山が待ち受けていた。違うのはそこら辺にスライムがいることか。


「んじゃ、はじめますかねー」

そう言うと、近くにいたスライムに近づき、狙撃銃と槍を置いて、ぶん殴った。


"まじでぶん殴ってるwwwww"

"しかもなんか無駄に手慣れてるww"

"あ、スライムが..."

"記念すべき最初の犠牲者"

"不名誉すぎてワロタ"


「あれ?ゼリーは?」


"誰か教えてあげて!"

"えー、スライムが落とすアイテムは存在しません。少なくとも現実の普通のスライムは。"

"有識者サンクス"


「なん...だと...」


"東風が!"

"し、しんでる..."


「いや、いきとーわー!」


"10月は?"


「オクトーバー!」


"よし、生きてるみたいだ!"

"なんだよその確認方法!www"

"素で分からんかった..."


「んじゃ、次は...」

がさごそガサゴソ...

「チャカだ。」

そう言って、拳銃の準備をする。


"圧倒的に黒"

"これは人殺してますわー"

"チャカって言ってる時点で...ねぇ?"


「いや、悪のりしたのは認めるけど犯罪はしてないししないからね!?ダンジョン内で犯罪者に出会った時は例外だけど」


"つまりダンジョン内で犯罪者に会ったことがあると..."

"いや東風はダンジョン攻略初だって言ってたぞ"

"くそ!捜査は振り出しか!"


「勝手に捜査しないでくれません?

んじゃ、試しうちを...君に決めた!」

パァン!


"え、いま..."

"推定20m地点のスライムを撃ち抜きましたね...一切のブレなく、照準を2秒であわせて。"

"普通にヤバめで草"

"最早銃メインウェポンでいいんじゃね?w"

"これはやっぱり側...


「だから違うから!ゲーム内で銃をメインに使ってただけだから!」


"つまりゲーム内で人を殺してると"

"なるほどその線があったか"


「ゲーム内でも人殺してないから!殺ってるのはモンスターだけだから!次!」

そう言って、拳銃をしまい、槍の準備をする。


"あ、逃げた"

"証拠は揃ってんだよ!"

"逃げるな卑怯もの!"

"槍はどうなんだろう?"

"暗殺に使わないからダメダメじゃね?"

"なにその理論www"


「んじゃ、君と君で」

と言って、近くのスライムに槍を突き刺し、ちょっと遠くのスライムに槍を投げる...が、当たらなかった。


"あー"

"普通に使う分にはいけるけど投槍は駄目だったかー"

"まぁしょうがない、暗殺に使わないし。"

"理由草"


「うーん、これなら中距離で使えばいいですかね。近距離は拳銃で。」


"メインウェポン複数持ちは草"

"弱点どこいったw"

"弱点を見せないのが暗殺の極意なんじゃない?"

"草"


「んじゃ、次はナイフ。」

といって、槍を回収し、当てれなかったスライムにナイフを刺して、そっからちょっと離れたところにいるスライムにナイフを投擲し、見事当てて見せた。


"流れるような暗殺...俺じゃなきゃ見逃しちまうね"

"※推定30m地点にナイフを当ててます"

"普通にヤバめで草"

"DEX高そう"

"器用値のことね"


「ナイフは咄嗟の中距離に役立ちそうですね。後でホルスターを持ってきますか。」

そう言いながらナイフを回収する。


"拳銃用も持ってきた方がいいでしょ"

"いやもうもってんじゃない?"

"メインウェポンがどんどん増えていく..."


「んじゃ、最後は狙撃銃。」

そう言って、狙撃銃を準備する。


"一番暗殺に使いそうなやつ"

"実際よく使われるからね..."

"合衆国大統領暗殺事件にも使われてるしね"


「...なんで暗殺者になってるの僕...」


"怒り通り越して困惑で草"

"諦めろ東風、これが運命さだめだ"

"無駄にかっけーw"


「んまぁいいや、とりあえず...あそこでいいか。」

そう言って、岩山の隅にいく。


「リロード、ok。弾速、十分。対象、150m地点。対象数、3。発射。」

パァン!


"い、いまありのまま起こったことを話すぜ...東風がたった一発の銃声を鳴らしたとおもったら、150m離れたところの並んでた3体のスライムがいなくなってたんだ...

何言ってるのかわかんねぇと思うだろうが、俺も何言ってるのかわかんねぇ..."

"東風暗殺者説が濃くなってきましたねぇ"

"まじで槍以外暗殺に使えそう"

"拳含めてな"


「だーから暗殺者じゃないってー!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る