E:迷声(めいせい)……市場 秋葉、中学二年生
01 パパのお人形になれなければどうなるか(白梅ノ声社会学校職員松平 安志視点)
「劇をやる」のが
劇
しかし、
社会学校にいる
小学校で
その森の
でも、
「反社会的行為」・「犯罪行為」・「教育
「白梅ノ声」のように、「
学校・教育
また、なかなか
さらに、珍しいのが、「
この国家や行政への破壊行為は、男子が「国立
魔術を使っても、使わなくても。人を死なせたり、人を死なせるまで
国立施設の
組石市では、最近、組石市立
もう一人は、
ただし、「組石
過失者は、彼女の
そのため、公社立白梅ノ声社会学校に
ちなみに、
迷公社組石
木目事業所には、「少女P」の魔術に
「
少女P
「少女P」の調査資料は、
そのファイルには、
この事業所
閲覧理由は、名前と職業と
名前:
職業:テント小児科病院院長
閲覧理由①:少女Pの入校先
閲覧理由②:
「悪糸」。
魔術暴走の
しかし、「悪糸」は
さてと。
閲覧
彼女の名前は、
調査
父親が月明地区の
月影小に
公立小学校(組石市立楓池小学校)の
その
父親は「
そこで、魔術しか
ファイルには、収容
「これは、魔術事故前の礎
◇◇◇
迷声は、そろばん教室とか、スイミングスクール、
習
進学塾の小学生クラスは、中学
迷声。
わたしは
それに、
もともとは、
ときどき見せる、目の
にぎやかな先生が
スーツのジャケットを
もう、ね。
織田先生の指導ペーパーは、
まあ、グループ作業はやっている最中からどんどん
一人の
わたし、そういう雰囲気を
今日は
苦手では無いけれど。
わたしのグループはまあまあ
気をつけてやらなくちゃ……。
イケ小では、まだ、
わたしはそんな
先生がいつも、「出来ない子の協力をしてあげて」とか、「
いろいろな
コントロールが
わざと。
その
なかなか、
そうしたら、先生が皆から一円玉を
「
それで、わたしは
二年生の夏休みまでに
四年の五月でも、「
女子は「
別に、迷声では、自分が間違えても、誰の迷
でも、魔術は遊びじゃない。
きちんとやれば、五
迷声の
魔術で
そう
さすがに、一キロ以上の
それに。
織田先生は、魔術
だから、自分の簡単に
「今日は五キロの米袋を浮遊させます。
まずは、五キロの
かなり破けにくそうだけれど。
変な
わたしたち生徒は
先生が一人一人の
二年生で一人だけ、わたしたちのグループに入っている
でも、本当の
作田君は「重い」とも言わず、「わかりました」って
三年生は
四年生は、わたしを
この五人は年輪小で、
なかなか、
わたしは最後から二番目に、膝の上に五キロを載せてもらえた。
「この重さ、ね。
小船さん。
ちょっと、持ち上げようとしてみて」
ビクともしなかった。
最後は、
ちょっと、ポッチャリしていたけれど。
最近は、何か、
「じゃあ、大板君も持ち上げてみて」
織田先生に
ちょっと、腕がプルプルしていた。
<
一年
皆もわたしも、大板君のことをすごいと思ったけど。
腕のプルプルと、焼き芋屋さんのタイミングの
「
「そうだよね、大板君の言うとおり。
物を持ち上げるのも、
じゃあ、浮遊魔術が使える
八人で、この米袋を持ち上げるには。
一人一人だと、
「
え?
織田先生の
一番
「わたし、
年輪小の
逃げた先には、このグループのサポートに入っていた、
……まあ、織田先生とは
藤原先生はアイドル
トイレまで
わたしたち生徒に見られると、「
こっちの「まあまあ出来るグループ」を
ましてや、内田さんが藤原先生のほうへ逃げたせいで。
何か、もう。
あっちこっちで、魔術事故が起きそうな雰囲気……。
「内田さん、
織田先生でしょー。
三人の先生たちが
失敗しない。
一人一人、先生が
ナイスアイディアなのかな……。
何度も失敗した。
先生が抜けていくと、
でも、最後になると。
何とか、「米袋五キロを八人で浮遊させる」のに、三十六
もう、ジャンパーが無いと、
これから、帰って……。
藤原先生がチラリとわたしを見てから、
「えー、小船 青良ちゃんは今日で最後です。
駅前の進学塾に通うことになりました」
「え?」
「そうなの?」
「塾行っても、頑張れー」
ちらほら、
でも、わたしは誰にも「お別れの
その
織田先生は?
……台座校へ戻っちゃったんだろうな。
藤原先生がわたしに
「お
青良ちゃん、普通の勉強も頑張りたいんだよね?」
「……そんなの
わたし、辞めるなんて言ってません。
イケ小の誰かの
藤原先生が念のため、迷声を辞めるのを
今日のうちに、お
でも、お母さんは、「
お母さんは、今日はグループ作業の曜日で。
作業が失敗して、グループの他の人に迷惑をかけるかもしれないから、黙っていたんだって。
一週間後の木曜日、
本当は皆と一緒に作業をしたかったけれど。
そういうのじゃ無かった。
辞めるにも、わたしの魔術が歪むような辞め
迷声
保護者意
迷声を辞めたせいで魔術が歪んだとしても、迷声は
子どもの意思を
迷声だけではなく、
話し合いを始める前に、お父さんとお母さんは四つの事
「お父さん、お呼びして
先週木曜日。
青良ちゃんが『今日で迷声を退塾することを知らない』の
お母さんも、グループ作業に
この面談で、青良ちゃんをきちんと納得させてあげてください」
「わたし……体育出来ないし。
男子と
だから、低学年の
でも。
一番になれる子は、献進会とか
四年になったわたしは、本
でも、魔術の勉強だと頑張れる。
頑張れば、必ずうまくいく。
パパは普通の塾に切り
わたしはこの面談に、「まだ
でも、そうじゃない。
わたしを
わたしに
お父さんとお母さんと先生がわたしに話をしてくれる場なんだ。
だから。
石焼き芋屋さんの車がアナウンスを
「青良は、魔術に
中学校へ入ったら、バスケットボールやバレーボール、
とりあえず、今は普通の勉強を頑張りなさい」
「わたしのこと、勝手に決めないで!」
「迷声では、中学一年生から
それまで、保留にすることは
「はい、考えませんでした。
こんなに魔術が出来るなら、私立中受験もさせてやるべきで。
それなら、木目駅までは無く、組石中
それから、国数以外の理科・社会のサポートも受けたほうが良い。
私はそう考えます」
お父さんは、わたしなんかが私立中に行くべきだ、とか本当に思っちゃっているんだ……。
でも、お母さんは浮かない顔をしている。
お父さんを
「普通の勉強と魔術の勉強は違います。
青良さんが納得して、迷声を退塾しないといけません。
お父さん。
このままでは、納得がいかない青良さんの
魔術の礎が歪む可能性が高いのです。
どうか、今一度、ご家族でよく話し合ってください。
ね、お母さん?」
藤原先生が保護者向けの笑顔を作って、場をなごませようとする。
でも、お母さんは藤原先生を芋虫でも見るように、見
「いいえ、話し合う
この面談がどうであれ。
わたしは青良に
夫が意
迷声くらい、続けさせてあげれば?……そう思いました」
「
中学生はほとんど、大手塾だ。
青良ちゃんが辞めるタイミングを失って、一人ぼっちになるのが目に見えている。
さびしい思いをさせると思わないのか?
今なら、塾を
「
今さら、教育パパなんて演じても無理よ。
貴方の不
貴方のせいで、引っ越すことになったんだから」
「ははは、何を言ってるんだ?
受験だけが
勉強が出来る子は『
そうすると、クラスでも
青良、不登校になりたいか?
足も遅くて、
放課後、遊ぶ友だちもいない。
なら、勤勉な優等生になるしかないんだ」
「ちょっと、待って。
不登校?
貴方、考え過ぎ。
まあ、不倫の
自分のせいで、
「せっ、青良。ちゃんと
勉強が出来ないなら、クラスのリーダー格に
「夫とは話い合いにならないんです。
この話題はおしまいにしましょう。
夫の
「娘の心配して、何が悪い!」
「自分の
藤原先生が止めに入るのも、無
「無事、解約出来て良かった。
あとな。
これ、
来週月曜日から通いなさい」
わたしに向かって、そして、わたしに寄り添う藤原先生に見せつけるように、進学塾のパンフレットを
「魔術のコマが無いよ?」
「御前はそこそこ出来るんだから、
それから。
わたしは魔術事故を引っ越し先の子ども部屋で
警察に
そして、お母さんが警察署に
でも、
声が出なくなるまで、
「一度、小
社会学校にも入校せずに
もう、お家に帰って来れたでしょ?」
「……」
ううん。
それから、それから。
月影小学校の先生が家に来た。
でも、お父さんに
先生が子ども部屋のドア
「迷声も辞めて。お引っ越しもして。月影小に転入して。
大変だったね、青良さん。
でもね、そろそろ月影小に登校してみないかな?」
「……」
「お父さんが青良さんが
そして、レベルの高過ぎる進学塾に入塾させた。
塾を休んで、お父さんにものすごく
塾の先生から『
でもね。
月影小は青良さんが通って良い場所なんだよ」
「……ほんとう?」
「嗚呼、青良さん!
やっと、お返事してくれたね!」
「この家にも
お父さんと
魔術が使えない。
どこか別のところで、一人で
「青良さんはもう、お父さんと同じ家に暮したくないそうです。
二週間以上の不登校の
自分で自分の魔術の礎が歪んでいく自覚もあります。
青良さん
部屋ごと
お母さんと学校の先生が廊下で話している。
「今も娘に
「はい。
わたしの得意魔術は、
ですので、青良さんが使っていた子ども部屋ごと封印になると思います」
「礎を
なにとぞ、ご理
青良さん?」
わたしは、部屋の
何とか、ドアを壊して、廊下に出た。
お母さんと学校の先生っぽい人は、ドアの下
でも、わたしは、そのドアを踏みつけて廊下を
「待って、青良!」
わたしは
◇◇◇
少女Pの分厚いファイルを閉じる。
新居に、分身体のようなセルロイド
その後、少女P人形の消失を、一度は、警察が確認。
誰が発生させたのかも
少女Pが警察署から一時帰宅を拒否している理由も、「父親」と
警察は具体的な保護対
保護者の申し立てで、国も「長期収容は不
入所
国からの同じ「特別養育条件」も無視。
そして、少女Pは月影小学校五年・六年の間、不登校。
自宅の子ども部屋からほとんど出ることも出来ず。
父親から
自分の部屋には、
少女Pは、
とうとう、ご
それとほぼ同時
迷公社木目事業所で保護されていた少女Pは、ダフネ
白梅ノ声社会学校に入校中。
そして、迷公社木目事業所の、裸足で逃げて来た彼女が使用していたシェルターには。
台座大学
「作田 温君。
君は
でも、今回の全身骨折はどんな未来を変えたのかな?」
私には、どうしても気になることがあった。
嗚呼、彼は死にかけている。
生きる気力を無くし、魔術を使うきっかけも無い。
まるで、
「……
小船さんが俺の父親じゃ無いのに、俺が思いこんで、俺は『小船さんが俺の父親じゃない未来』を
でも、何も起きなかった。
でも、それは全身骨折で代償骨折が確認されなかった。
俺の勘違いだったんです」
でも、違う。
彼は
「でも、君の骨は縦に裂けているよ。
何を
……あのね、作田君。
女子と男子じゃ、入る社会学校が別でね。
入校中も
もし、君が少女P……小船さんの心を
退校が
私は、彼女の
「……そうなんですかー……」
無反
「
でも、ここは病院じゃない」
グッと左右の
でも、作田君は表情
「
「……『
『理想の人形』に改変するしか無かった。
でも、小船まで、人形
ポツリ、ポツリ話してくれる。
「もっと、作田君が早く
「どうにか?
俺の話を聞いてくれたのは、一度も無かった。今回、
その鈴木ルートだって、小船の
一度も無い?
今回?
何だ?
彼は未来改変をしたんだろ。
別に、話を聞く必要なんて、無かったんじゃ?
人格にこだわって、「
でも、何故、人形が何体も
「ねえ、作田君。一度の未来改変で済むと思っている?
小船
「……
ズルい。
俺は何度も、『人形』に変えてやった。
今回は、いつもの
俺は悪くない!
悪いのは、俺の話をまともに聞かなかった
彼は
その声は少年らしさは無く、私と同年
もっと、
「でも、小船分身体は、人形飽和で魔術事故を起こした
そこで、通りがかった
もう、魔術は使えないから、心配はいらないよ。
だから、矯正プログラム
「そのせいで、俺も、青良も、『
この世界の回に、閉じこめられたんだ!」
何だって?
青良さんの父親をあえて、
人生をリセットして、やり直すためだったのか?
でも、青良さんは
魔術が使えないだけで、人形に変身してしまっただけで。
生きている。
この少年は、何を
「……小船さんも、君も、『
小船さんのお父さんに、時間を
「……青良も、俺も。人格は変わってるし、もう大人だよ。
でも、俺は前回の記憶を残すために、また未来改変に魔術にこだわった。だから、小船を守れるだけの魔術が使えないままなんだ」
「大丈夫。
もう、そんな無理をしなくて良い。
日本魔術社会が君も、青良さんも、守っていくからね。
安心して。
今は骨折を治すことに
悪かったね、矯正プログラムの相談をしてしまって」
でも。
よく台座の大学病院から
「大変よく頑張りましたね」
「……『
どうせ、
「わかりました。
とにかく、ゆっくり休んでください。
おやすみなさい……」
嗚呼、もう、彼が子どもに見えない。
おじさんの加
おじいちゃん、おばあちゃんの家の
やはり、彼は六十代男性だ。
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