07 転校した子はどこへ?(組石市立楓池小学校三年一組鈴木 縁視点)
キキこと、
まあ、
キキは木目の王
錠前さんがこっそり、「
中央のあっちも、
でも、どこのタワマンでも、エレベーターが
中
キキはそもそも、中学からは
「どうせ、また
「へー、
だから、木目の王国
「そうなの……って、ちょっと、
わたしの
「いやいや。
縁の心が蟻な
「でも、まあ、学校でやってる放課後学童は
でも、三年になったのに。引っ越し
「あー。
ヴァーミリオンが組石市
でも、ほとんどが
親もいちいち、木目駅で
「途中下車?
「
わたしたち女子はほぼほぼ、木目駅最寄り小学校から来てるけど。
それぞれの
「ヴァーミリオンに住んでた子は引っ越し先を見つけて、すぐ
引っ越せない子もいるけれど。
キキは四階の窓から見えるランタンウェイ木目駅を
「ランタンウェイの
子ども
夜間のライトアップと
「縁が引っ越したのって、夏休み
「うん。夏休みの
引っ越しって
そうそう。
三
「それ、あるよー。
ヴァーミリオンのマンションもそうだけれど。
月明地区の
岬さんは
エコールは
でも、月明地区は塾以外の
窓
王寺さんたちは
東木目小の女子も、王寺さんたちを
「ちなみに、
「あー、そこの迷声のことなら。
イタ君って男子が
今も迷声と、塾
「イタ君が?
そうなの?」
キキが目をキラキラさせる。
「今、中二なんだけど。
小学校六年になっても、親に預けられててさ。
同学年の利用
そんなとき、イタ君が
キキは
あっ、
金子さんとお喋りしてたよな……。
「ここではイタ君に
イタ君に聞いてみて」
「
金子さんが通信端末を
「あー、もしもしイタ君?」
<
これから、
金子さんの端末スピーカーから、昨日と同じ
「どうせ、朝食
迷声の
<あのなー>
「イケ小の五年生で。転校しちゃって。
迷声も
心
<……心当たりはある。
それに、金子もよく知ってるだろ?
……アイツは、
でも、あんま、
「木目の王国の子がさ。
<だから?>
「アンタが迷声に通って、魔術の
アンタ、
<
あと。
俺には『
ブチッ。
ノイズまじりで、電話が
「ごめん、縁ー。
「いえ……あの、ありがとうございます」
「そんなー、
やー、めー、てー、よー」
金子さんにギューッと
何も、
でも、それを作田君に
……そんな
作田君は
朝食後、
わたしも、作田君に
公社の名前も、「迷」だけれど。
「迷」って漢字には、良い意味が無い。
ランドセルを
でも……。
「あっ、おはようございます!!」
「おはよう。
「いえ!」
「おっ、あっさりだなー」
「
作田君は知らない
「転校した子の
五年の
わたしがペコペコ
ジャンパーの人は、
すぐ
「ん?
楓池小だった小船さんは転校して、木目駅前の迷声に通いづらいから……おっと、
個人情報だからね。
辞めた子でも、情報
「ジャンパーのおじさん。やっぱり、楓池小から転校したんですね?」
「お、おじさん?
僕、ま、まだ
群青(ぐんせい)大学魔術学部に通っている、万堂(ばんどう)。
君たち、イケ小でしょ?
五年生の教室を
「校
「おお。
でも。
あんまり、小船さんに関わらないほうが良いよー」
オレンジジャンパーのバイトさんは、わたしたちと
「どうしてですか?」
バイトさんはずっと、地面に両手・両
「去年、小船さんが迷声を辞める辞めないで
迷声の窓、バッキバキに
窓
まあ、窓を割ったのは、小船さんの
小船さんが辞めてから、
ざわり。
ぞわり。
わたしも地面に手をつく。
何、この
ブツブツ、誰かが
「……どうした?」
「……何か、ものすごい魔術の
……
「おい、今、登校時間だぞ!」
「
知ってる子?」
兆部 毎日。
何で、ここにいるの?
まさか、
わたしが
バイトさんは作田君の
自
「何で、
ドアガラス
「
作田君はあまりの
「
その待機魔術は駄目だよ」
迷声は魔術学
<ピロンピロンピロンピロン。
玄関前で、
自動で
でも、わたしたち子ども二人、大人
バイトさんも、目まいで
でも、何かドアの内側で操作を続ける。
ガシャーンッ。
「
……もう、あの子は入って来れないよ。
なるべく、
バイトさんが作田君とわたしに
バンッ!!!!!
キーーーーーーーーーーンッ。
「
「何あれ?
……
「小学校に連絡してあげなくて良いの?」
「じゃあ、
外の声に
迷声の先生が作田君とわたしを
わたしたちは、迷公社が
「結界を
バイトさんはニッコリ
「すごいね、あの男の子。
……張り
こんなに破れるのは市場 秋葉君、くらいじゃないかな……いや、市場君でも、無理か」
「あ」
「何か思い出した?
小船のことか?」
作田君はわたしの
グシャッ。
作田君の左手は
「ううん。
市場 秋葉。
あの怖い人のお父さん、わたしの
あっ、
「そんなこと、どうでも良いだろ!
……鈴木、ごめん。
御前も、すごい、
そうなのかな?
でも。
「
僕も、駄目だ―」
「バイトさんも、血がドパドパ出てるよ!」
作田君が
わたしは急に
◇◇◇
<
こちらは
まずはお手
安
繰り返します。
日本国民の皆さん……>
メロディーエアシップが「内閣府広報室ソング」を
安
小さな飛行船を、ほんの少しの間目で
やっぱり、
ただの
わたしの
お
でも、お父さんは大学病院に慣れていなくて、
お母さん
今朝は、とっても頭がスッキリしている。
「ごめんね。
強制
何か、注射を
「……です。
組石警察
毎日、同じ
でも、
お
「……な、に、を?」
気がつくと、有賀さんの他に五人もの
わたしの手首に手錠は無いし、犯罪者というより、被害者・
有賀さんが来てくれるのに、毎度、貧血で意識を
「貴方、
何か
「……ばかみたいな、デタラメなじゅもん」
「
貴方は、
風属性魔術が得意な子に多いの。
詠唱呪文を聞き
「
でも、
「待って、俺が書くよ。
俺が
それに!
俺の方が風属性魔術、すごいから!」
作田君がわたしを庇うように、
てんごくからはずれたはしご
じごくへのおおあな
こどもがしぬおうだんほどう
おとながしぬせんじょう
くまのつめあと
いぬのかみあと
ねこめがぎらり
ねずみのはががちり
ふくれるかえる
やせるにわとり
てのなかにおさまらない
めをあわせてはいけない
まわれまわれ
かぜもひかりもつらぬいて
たいようがおちるとき
せかいにひるとよるがやってくる
あの日、アイツが呪文をブツブツ唱えていた。
もちろん、作田君の
作田君は風属性の魔術よりも、
だから、未来は何も変わっていない。
わたしは死ななかったし、作田君も死ななかった。
でも。
あのデタラメな、学習
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