06 パパかもしれない(組石市立楓池小学校三年二組作田 温視点)
その
それで、「ほっと」。
漢字の温にはそんな
温を
そして、俺は
でも、俺はこの
サイレンは
ちなみに。
でも。
あの
鈴木は意
風呂
ふっと、男子
ベッドで寝るのに
でも、
<スッキリ
<
ナレーションが
そう。
テレビのCMがビールのCMだった。
子どもはこの
さびしい
ライトアップされた
そこへドカーンと
その
「秋っぽい
そして、バラバラだったけれど。
ほぼ一斉、ため
まあ、俺たちだって、
「『
かと言って、パパママも
まず、お酒。
木目の王国くらい、お酒のCMだって、見たくないよ」
「でも、アニメはもうやってないじゃん。バラエティか、ドラマ。
ママは
低学年男子はパパママ
三年になると、「ママ」って口にしただけで、「マザコン」って
俺も親のこと、「ママ」って言いそうになって、
三年と四年の
「
「兄ちゃん、そんなこと無いよー?
「
「
男子全員の
「
まあ、どこの家も
ジュースよりも、お酒が
お子
自分の
「ママは、今
「仕事じゃないの?
「
皆の話を聞いて、
井端っちのお
俺の母親なんかと
木目の王国の
「ウチなんか、一番
だから、
「
「ババはジジに
「木目の王国だと、学校のこと話せるし。
まあ、男子は女子部屋のある四階の階
明日になったら、鈴木に聞いてみるか。
「
でも、三年間持つって
「放課後まで
「でも、
「夜九時からお
そこへぞろぞろ、
「……あの
「そうそう。
あー、御前は
俺、楓池小三年の作田。
御前は塾、行ってないの?」
「行ってない。
年輪小三年三組の
「アイツ
放課後、木目の王国にディナーボックス
駅前の塾に行って自習室にこもる。
塾の
注意された小
「楓池小は、中学受験で
……ん?」
ふと。
東木目小のお坊ちゃんたちが布団も
そういえば。年輪小は木目の王国で、全然魔術を練習しないことに気づく。
「並木。
年輪小学校は魔術が
「さあ。僕、学校へ行ってないから。わかんない。
何か
「まあ、
うーん、作田君が言ったような『魔術
魔術は
「でも、年輪小は
ほら、イケ小からそっちに
「それは
入
だから、東木目小の受験組と
だから、そうだね。
不登校の並木君が学校
並木は「そうだねー」とうなづいた。
何だか、
「年輪小は『不登校児童の
先生なんか、『不登校児童
「でも、どの学年も三組しか無いよね。
「
『
そこへ話を
「あれ?
担任の先生が錠前さんの家に
「でも、錠前さん、木目の王国に来てるよ?
不登校の並木君も」
「じゃあ、学校の先生は。
「ピンポンは夕食後のお
一階や二階からは、「
職員の
「ううん。錠前さんは、担任の
僕、駅前
木目の王国に宿泊する
それが家庭訪問手当の
丸越君は塾の宿
「まあ。
錠前が元気になるってことはさ、楓池小にまた転校して戻るってことだから。
手当が
だから、もし僕等受験組が塾に行っている
不登校の子向けのフリースクールじゃ、
保護者のかゆいところに手が
教
でも、先生たちはなるべく
ここでも、保護者のかゆところに手が届かないまま。
錠前
「年輪小は
よく、
いろいろな
並木君。
でも、君は
勉強もしないで、
ゲーム
丸越君は並木に、「だらしのない家庭
「ううん。
僕の
僕がいると、弟の
家
転
毎
「
「弟の小
「
「あんまり、木目の王国には
引っ越すまでの間、よろしく」
とは、言っていたけれど。
「だから、引っ越したくない」
<誰が
お
「学校へ行きたい」
ガチャッ。
男子トイレの個室には、
「並木 羽後君、ちょっと良いかな?」
「……」
「弟さん、あじさい病児保育園の
そして。
木目の王国の男子トイレに。三
「
並木よりも、俺の方が
「いやいや、
「何ですか?」
「お
未成年の
お母さんがお仕事を休めないなら、病児保育をすすめる。
羽後君。
電話の
並木は否定も
「弟さんは保育園にも、
お母さんはご
「……」
「
「夕方、買いに行ってます」
「
学校へ行く時間から帰る時間まで、
そして、お母さんが病気の来未君にベタベタしている間、家の掃除をしている?」
「……」
「お
「パパ、パチンコに行っちゃうから。
でも、パチンコに行ってくれてた方がママに
「ねえ、羽後君。
羽後君は小学校に通って、勉強して、給食を食べて、皆と
「……」
「……」
「……」
「来未君は病児福
そして、羽後君は児童福祉施設か、グループホームか、
お父さんとお母さんを
電話の向こうで、並木君のお母さんがギャーギャー
それでも、分身してる医者三人が声をそろえて警
「「「羽後君と来未君のお母さんは、羽後君が魔術教育を受ける
たとえ君にはどうしようも無くても、日本魔術社会において、自分を大切にしない魔術師見
<
並木君のお母さんは、転地
来未君も同時に、きちんと保護された。
六時間も利用しないまま、
ランドセルだけ背負って、並木が警察官に
皆は制服警官の
米里先生が「ちゃんと説明するから、宿泊部屋に戻って、戻ってー」と
部屋に戻ると。
爆睡している子たちを
そして、代表して、丸越君が小声で質問した。
「
「ううん。羽後君のお父さん、お父さんじゃ無かったんだって。
羽後君はときどき面会してたらしいけれど。
お母さんが『お父さんは
「ええ?」
「どういうこと?」
「羽後君の家、
羽後君のお父さんは
不
羽後君のお母さん、
おいおい。
米里先生、そこまで、子どもたちに話しちゃって良いのか?
まあ、保護者に
……小船。
今、小船って、言った?
「その小船さん、今どこにいるの?」
「家を引っ越ししたって話だよ。
さあ、おやすみの時間だからね」
「羽後君と来未君、同じ施設は無理なの?」
「警察から聞いたけれど、来未君のパパは来未君を
だから、来未君の入所
羽後君パパは……不明なんだって」
「誰の子かわからないの?
小船さんって、人じゃ?」
「ほらほら。子どもは寝なくちゃ駄目だよ」と米里先生にはぐらかされて、男子宿泊室に押しこめられた。
でも。
俺は不安になった。
だって、俺だって、
「ママ」
<何?
また、トイレから、コソコソ電話?
寝る時間に電話して来て、どうしたの?>
「……僕のさ、パパ」
<その話はしない約束。
ママ、
温の本当のパパとは、無理>
「小船って人?」
<……誰から聞いたの?
ねえ、木目の王国で、何か言われた?>
「小船って人。僕が
だから、ママ、小船と結婚出来無かったの?
僕にお
いないの?」
<いきなり聞かれても……>
「小船
楓池小の放課後の学童のとき、
ときどき遊んでもらってた!」
もし、もし。
小船 青良と、
自分の骨を
日本でも、未来
全部、変えてやる。
変な感情がフツフツ
<ホットちゃんのパパは……顔が良いだけじゃなくて、きちんとした人。
パパとママね、結婚を
パパのパパに反対されて、
「パパのこと嫌いになった?」
<うん。
ママを守ってくれないし、パパはグランパの言いなりだった。
だから、結婚して
ホットちゃん、
「どんな人かは知りたい」
<ママはね。ホットちゃんのことを……気
……ホットちゃんを殺そうとした人たちだから>
「
……三年だから、知ってるよ」
<ホットちゃん。
でも、ホットちゃんのパパは小船さんじゃない>
「
……って良くないよ。
小船さん、引っ越しちゃって、校
今日はもう
ママもさ。
小船さんの話、ママ友から聞いたら、
ママは何かを言いかけて、やめたようだった。
そして、お
良し。
骨を無駄に折らずに済んだ。
まあ、そもそも、無
俺が魔術を使っても、ありもしない未来「作田 温の父親は小船 青良の父」をわざわざ作って、それをさらに
でも、そのストッパーが
ママが教えてくれて、良かった。
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