第6話

「出来ました」



そう言って犯人の顔を書いた紙を警察官へ渡す。





「…これは」



「正面の顔は見れてなかったので、横切った時に見えた横顔になってしまいますが」



「十分すぎます、絵お上手なんですね」





私の絵を褒めてくれた警察官は、私から少し離れると、無線機で仲間に情報を流していた。




手持ち無沙汰になった私は、事故のあった現場に目を向ける。




大量の出血ではなかったけど、数滴血が垂れていたようだ。レンくんの血痕が残っていて、事故の生々しさを感じる。




「レンくん大丈夫かな」



既に病院に向かったレンくんの心配をしていると、

先ほどの警察官が戻ってきた。





「ご協力いただきありがとうございました。

後のことは、こちらで対応いたしますのでご心配なく」





感謝を述べられた警察官に「あとで連絡できるように、お名前とご連絡先を教えていただけますか」とお願いされたため、私は素直に対応した。

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