第28話 ギルド加入完了!~ランクアップを目指してがんばるぞ!
「以上で、ギルド加入の手続きは完了しました。改めまして『猫の眼』ギルドへようこそ」
受付のお姉さんが頭を下げてくる。
「こ、こちらこそよろしくお願いします!」
「ボクもお願いします!」
わたしと≪ピート≫くんも慌てて頭を下げた。
その時突然、頭の中でファンファーレが鳴り響いた。
何事⁉
【連続クエスト完了のお知らせです。クエスト達成おめでとうございます】
お、おお……。
最後に『猫の眼』ギルドに加入するところまで進めたからなのね。
わりと長かったね……。
最初に受注したのは『迷子の子ネコ探し』だったのに、その後どんどん変化していったもんね。AOではこういうクエストはなかったなあ。AO2はみんなこんな感じ?
【まちまちです。私もすべてのクエストを把握しているわけではありませんし】
そうなの?
だって≪オーラム≫さんがプログラミングしたんでしょ?
【クエストとは日々の生活の中で、それぞれの思惑によって発注が発生するものです。独自の思考で動くプレイヤーすべてのクエストを把握することは困難です】
ふーん?
つまり、プレイヤーが勝手にクエストを発注することもあるってこと?
【むしろそのほうが一般的です。オーラムオンラインPhase.2側から発注したクエストはごくわずかだと言えます】
そうなると、お得なクエストを探すの難しいね。
【そこでギルド所属です。ギルドに所属するメリットは大きく言えば2つあります。細かく言えばもっとたくさんありますが】
1つはわかるよ。
信用だよね。
大きなギルドに所属しているだけで、身元が保証されている、でしょ?
【そうですね、それを入れたら3つでしょうか】
あれ、違ったみたい。
【まず1つは仕事に困らないこと。もう1つは衣食住に困らないこと。大きくはこの2つです】
憲法みたい。
健康で文化的な最低限度の生活を営めるって?
【ギルドを通じて、仕事、つまりクエストを斡旋されます。直接ギルドに持ち込まれる依頼から、ギルド組合を通じて下りてくる大きなクエストまで様々ですが、未所属の冒険者には手に入れられない情報も多く存在しますからね】
なるほどね。
ギルドメンバーは会社員みたいなものかあ。
ああっ! わたし、また社畜になるの⁉
【そんなに震えないでください。かわいそうな≪アルミちゃん≫。大丈夫です。冒険者ランクが一定水準に達すれば、ノルマは軽くなりますから……早めに出世しましょう】
やっぱり同じだぁぁぁぁぁ!
管理職にならないと一生安月給で下働きなんだぁぁぁぁぁ!
もういやだよぉぉぉぉぉぉ!
帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい!
【≪アルミちゃん≫、落ち着いてください。≪アルミちゃん≫の『
1週間……?
【そうです。1週間です。それだけがんばればバラ色の管理職生活が待っています】
……ホントに?
【ホントです。これまで、この≪サポちゃん≫がウソをついたことがありますか?】
わかんない……。
なんかまだ隠してそうだし。
【情報は適切なタイミングで開示するほうが良いというだけです。私はウソはつきません。AIプログラムなのでウソはつけませんから】
そっかあ。
じゃあ信じようかな。
1週間だけがんばってみる……。
【できるだけランクアップの評価につながるようなクエストを選びますから、一緒にがんばりましょう】
はぁい。
ところでさっきの連続クエストの報酬っていつもらえるの?
【もうすでに手に入れていますよ。所持金の欄を確認してください】
ほぇ?
あ、ホントだ! お金が増えてる!
【ランクD相当のクエストが4つ、ランクC相当のクエスト1つ、ランクB相当のクエストが1つで合計11400[SEED]です】
うぉー!
ランクBのクエストも達成していたの⁉
すごくない?
【『「猫の眼」ギルドに加入しよう』のサブクエストですね。サブクエストは達成しなくてもメインクエストの達成自体は可能だったのですが、サブクエストも見事達成したのでボーナスが入っています】
ふーん。
ちなみにどんなサブクエストだったの?
見逃していたかも。
【『ギルド加入試験で実力を示せ』というサブクエストです。一定水準以上の評価を受けると、クエスト達成とみなされます。実は評価が一定水準以下でも、『猫の眼』ギルドに加入することはできたのです】
そういうものかあ。
あのLv.30の3人を倒したからボーナスがもらえたってことね。
ほとんど≪サポちゃん≫のアシストのおかげだね。ありがとねー。
【あれは私の力というより、ユニークJOB『
あれが当然なんだ……。
さすがユニークJOBってところなのかな。『
【まだまだですよ。戦闘時のJOBは鍛えれば鍛えるほど強くなりますし、視聴者が増えればさらに強くなれます。早く人気配信者になりましょうね】
が、がんばります……。
やっぱりここは1つ……脱ごうか?
【≪アルミちゃん≫……すぐに脱ごうとしますけれど、1つだけはっきりと言っておきますね】
……何?
アカウントBANになるからダメっていうのはわかっているけどー。
【違います】
じゃあ何さ?
【≪アルミちゃん≫の裸にそんな需要はありません】
ガーーーーーン。
わたしって魅力ナシヨさんだったの……?
ショックで死にそう……。
【逆に尋ねますが、これまでの人生で一度も誰からも体目的で声をかけられなかった人の裸に視聴者を引き付けるような需要があると思いますか?】
そんなに追い打ちをかけないでよ……。
一度も誰からもってことはない……よ?
わたし、大学生くらいからはいつも体形隠したダブっとした服を着てたから気づかれなかっただけで……一応節制していたし! 高校生の頃はそれなりに声だって……。ほら、水着とかになったら、「脱いだらすごいね」って……言われるかもしれないじゃん!
【では水着から始めましょう?……ですがともかく≪アルミちゃん≫は清楚なアイドル売りですから、簡単に肌の露出はしないでくださいね】
なんか良い感じにまとめられた気がする……。
【しゃべりと笑顔で視聴者を呼び込んでください】
うん……。
【それとハプニングと笑いもお願いします】
ハードル上がるなあ。
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第二章 アルミちゃん、『
第三章 アルミちゃん、ギルド生活始めました 編 へ続く
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みなさん、おはこんばんにちはー!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
≪アルミちゃん≫が『猫の眼』ギルドに所属することができたということで、第二章完結です!
次の話からは、ギルドメンバーとして、クエストをこなしてランクアップを目指していきます。
それと、『
ぜひ、視聴者の1人となって≪アルミちゃん≫を応援してください!
それと……もし良ければ、♡や感想コメントをいただけると大変励みになります。
あわよくば★やフォローなど……カクヨムコン10に参加しておりますので何卒お願いできればと!
こちらから飛べます!
https://kakuyomu.jp/works/16818093087029089651
それでは引き続き、第三章も軽い気持ちで読んでいただければうれしいです!
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