第2話 委員会決め
始業式が終わり、僕の二年生最初の登校日は何とか終わった。
ここで『僕』と『高山美羽』について、紹介しよう。
まず僕『高橋春希』は、169センチ程の身長でクラスの中では後ろから3番目くらいの身長だ。
僕は、趣味程度でランニングをやったり、ラノベを読んだり、恋愛モノのアニメを見るのが大好きだ。
あまり得意と言えることはないが、勉強はできる方だ。
僕は『はるさん』と呼ばれることが多い。
次に『高山美羽』は、僕が大好きな女の子のことである。
身長は168センチ程でこの学校の女子としては長身で、僕とほとんど変わらない。
美羽は、吹奏楽とダンスを習っていて、勉強もそれなりに出来る。
そう、美羽は努力家なのだ。
そして、好きなところも沢山ある。
その中でも、透き通った歌声や服から漂う洗剤か柔軟剤のいい匂い、はっきりと物を言いクラス全体の意見を一つにまとめるあの発言力が好きだ。
さらには、手入れの行き届いたサラサラの綺麗な黒髪に、丁寧に櫛で梳かれた前髪、微かに感じるシャンプーの匂い。
服から漂う匂いは、本当に好み《ドストライク》で、一日中嗅いでいられるほど好きだ。
何よりも、あの笑顔と笑ったときに出来る笑窪には、抱きしめたいと思えるほどの魅力がある。
(ここまで言うと流石にキモいな……)
つまり美羽には、僕をこれほどまでに虜にさせる魅力を持っているのだ。
二年生最初の登校日から数日経った今、僕たちのクラスでは、前期の学級の組織を決める学活が行われていた。
話の前にまず、この学校の組織制度を簡単に説明しよう。
クラスでグループの班長を務める執行委員六人と、男女一人ずつで構成される六つの委員会、その他各授業ごとのリーダーの役割を果たす教科リーダーがある。
ちなみに、この中で一番簡単な役割は、間違いなく教科リーダーだ。
組織の決め方としては、初めに執行委員である学級委員二人を決めた後、二人が司会を務めて話を進めていく。
他四人の執行委員を決めた後、六つの委員会を決め、教科リーダー決めをするという流れになる。
この時に一番問題となるのが委員会決めだ。
委員会が決まらないと、教科リーダー決めに進むことが出来ないので、どれだけ上手く意見をまとめて、委員会を決めるかが重要になってくる。
本題に戻って今このクラスでは、学級委員決めが行われている。
クラス替え直後とは打って変わって、教室中は静まり返っていた。
「学級委員に立候補する人は、挙手をしてください」
担任の先生がそう言った瞬間、二人が挙手をした。
その二人の方を見ると、高山美羽と
美羽は抜群の社交性を持っているので、学級委員などを積極的にやるタイプの女子だ。
ちなみに高木寛人とは、学年トップクラスの成績を誇り、ピアノが弾けて、なおかつ男女問わず誰とでも公平に接していて、男子の鏡のような存在である。
まさに、学級委員に相応しい存在なのだ。
その後、美羽と寛人の公約発表が終わり、信任投票が行われた。
結果は当然のこと、二人が信任されて学級委員が無事決まった。
その流れで残りの執行委員四人も決まり、次は委員会決めとなる。
委員会は、黒板に委員名が書かれており、希望するところに、自分の名前の書かれたマグネットを貼り、委員会ごとに信任投票が行われるというやり方だ。
僕を含めた委員会を希望する人たちが、黒板にマグネットを貼る。
そこには一つの問題があった。それは、圧倒的に委員会を希望する人が少ないということである。
ここで、美羽が登場。美羽は過去にも学級委員をやっていたので、その経験を活かして、
「委員会をやりたい人はもういない?じゃあまだ決まってない人たちで男女分かれて集まって。そこで誰がやるか話し合って」
そう言った。
この手際の良さはまるで、あの細長い飴を切っている人のようだ。
男子は高木寛人が、公平な立場から話し合いに入って、無事に委員会が決まった。
女子はというと、中々決まらず苦戦していた。
決まっていないのは、僕が希望する学習委員と他一つの委員会だ。
別に僕が嫌われているとか、そういうことではなく、ただ単に学習委員の負担が大きいので、みんながやりたがらなかったというだけだ。
どうしても決まらなかったので美羽は、
「学習委員なんて、はるさんがいるから楽できるよ。はるさんが二人分やってくれるって。こんな優良物件どこにもないよ?」
彼女は、中学生としては大きい方のそれを上下に揺らしながら、女子たちに訴えかける。
(確かに、確かに。ん?って何で僕が二人分の仕事をやることになってる⁉︎そんなこと一言も言ってないんだが……それに僕が優良物件だとぉぉ⁉︎美羽は僕のことを何だと……まあでもいいもの見れたし今日のところはいいか)
美羽がそう言って、女子たちが少し話し合った後、決まっていない二つの委員会に立候補する人が現れた。
学習委員に立候補したのは、
もう一つの委員会は、
「どうしても決まらないならしょうがなく」
といった感じで立候補をした女子だった。
未奈とは、全くと言っていいほど話したことがなかった。
でも、何とか上手くやっていけるだろうと思えるような雰囲気の女子だった。
そして遂に、委員会決めが終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます