第16話

そして昼休み

〇+。――――――――――――――――






「チャッピィ、ここで待ってるんだよ?」

「キュ。」


エンは、念を押して、チャッピィに告げて、教室を後にしました。

さて、チャッピィは何故、エンの後をついてきたのだろうか。


「…。」


シン…


教室は静まり返っている…。


「…。」




チャッピィは、ランドセルから出て、降りた。

トン…、と、片足を廊下に着き、前足、後ろ足を、着地しました。

そして、羽をバサッと、広げました。



さて、参ろうか――――………


来た。

『よぅ。チャッピィ…。』

『…ウィザレッド、お主か。』


ウィザレッドは暗がりの階段からカツン…と、音を立てて降りてきた。

赤い目が逆光を放つ。


チャッピィは、睨み威嚇した。


『…主よ、我が主をに、何をしでかした?目的は、なんだ…。』

こちらもフーッと威嚇し返す。

『来るな!!…俺は人間様の匂いをさせる神獣は嫌だ。帰れよ、ここは学校だ。そして、俺の行為を嗅ぎ回る様な奴は、こうしてくれる―――――!!!』


魔獣ウィザレッドは額の赤いルビーから光を放つ。

それも赤黒褐色のイカヅチだ。

チャッピィは後にバク宙一回転し躱した。


『…ふぅ。挑むところよ…しかし…』

『しかし?』

『エンに牙を向けるな…』

『チッ』


チャッピィの、包み込むような白いベールは

ウィザレッドを包もうとしました。

しかし躱しました。


『俺の目的が聞きたいか。』

『何故、エンに手を牙を向ける?隠したな !靴を ! 』

『何がいけない。』

『人間の物を捕ってはならん。』

『その靴が、どれだけの道をエンを運んだ事か…主は無視をしたな?世界観の道徳心を。』

『説教はゴメンだぜぇ。』

『このぉ…!!』


なんてことを… ! と叫びと同時に、チャッピィの額のサファイアがピシャッとフラッシュした。

『うっ』

ウィザレッドは、眩しすぎるのは嫌だ。

しかし、光あるところに手を伸ばしたくなる。

それって、人だから…?


『…チィ。早いの。』

ウィザレッドは漆黒の羽を羽ばたかせ消えた。


まずい…!


『魔獣、直接エンの元へ行ったな ! 』







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る