第15話

ついてきちゃった !

〇+。―――――――――――――――――






エンは、いつもの様に机に座り、ランドセルから教科書を取り出し、机の中に入れる。

周りは、ワイワイザワザワ、賑わっている。


「えーと、忘れ物はないよね。」

と思いきや


「え。」

『ピキューイ !』


パタン。


「エンちゃんおはようー。」

「どうしたのー?」


「な、なんでもないよ…えへへ。」


ギャラリィは一同席につき、読書の時間に入りました。

先生が出席簿をとり始める。

一人一人、名前を呼び始める。


「―――次、エンちゃん。」


「は、はぁーい。」

「「ピキューイ !」」


児童一同の視線がエンに向いた。

エンはとっさに身を翳しランドセルに覆い被さった。

ヤバい。


「今の音何ー?」

「だーれー? 動物の声を、真似た人ー」

「いるわけねーだろー !」


どっ、と… 教室の中は笑いで満ちました。




『…もぅ。チャッピィったら…。ぐすん。』

『ピキュ?』


1限目を終らせた後、ランドセルを抱え急いでトイレに行った――――……。




「「「チャッピィ ! どうしてここにいるの!?

なんで、ついてきちゃったの !?」」」


エンは、目をうるうるしながらチャッピィに訴える。

自分はなんてことをしてしまったのだろう。

チャッピィは新種の動物なのに、誰かに見られたらどうしよう!?

そんなことばかり、エンの思考は被害妄想でいっぱいになった。


チャッピィ……


「…キュ、キューイ、キュキュ、キューイ !」

チャッピィは、何か言いたそうだ。

しかし、エンは涙をポロポロ流す。


「…ちゃんと、ランドセルの中に、隠れていてね?」

「キュ、キューイ !」


エンはチャッピィの小さな手に、小指を当て、"約束" をしました。

エンはこの時、自分の身に起きる出来事を予測することなど、いくつになってもできるわけなかった。


ただただ、、なぜチャッピィが自分の跡をついてきてしまったのか。


そこに思考が捕らわれてしまい、他の事などに気づく余裕もかなかった。


『チャッピィ、隠れてるんだよ。』

『…キュ。』



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