第14話
帰ってきて晩御飯
〇+。―――――――――――――――
ただいま ! 晩御飯の時間だっ!
エンはワーッと玄関の靴を脱ぎ飛ばし、席についた。
「エン、手はどうした。」
「手?きれいだよー。」
「その肘はなんだ。」
「う…。ふぁい。」
お茶碗を持つ手の肘をテーブルに着いちゃならん…て、昔言われなかった?
「おかわりぃ。」
「エン。」
「なあに、パパ。」
パパは新聞紙から視線を外さない。しかしその視線はエンの心に向けられている。
「…シューズはどうした。」
「え、ちがう。靴。…あ。」
「そうか。靴か。」
言わされた。
「…ぶーっ。」
「エン。ちゃんとパパの話し聞きなさーい。ママ忙しいからー」
「んー…。」
「…」
沈黙が流れる…。
エンは怖くてお箸を置いた。
手を下にしてモジモジした。
パパは新聞を、静かにたたんで、テーブルの端に横に置いた。
ママの名前を呼び、お茶をいれてもらう。
静けさの中に、和む空気が、溶けた。
「…相手はどんな子かな?」
「…。」
「エーちゃん。」
「…。」
ドクン… ドクン…
怒られる、かも。
「…エン。何故人は怒られて成長するか。」
「…え?……嫌われたくないから?」
「愛情1本。飲みほしなさい、エンも、いつまでも子供でいたいと想えるか?」
こども?
パパはエンに、セノビックジュースを可愛い赤にドットの入ったコップに灌いだ。
エンは、涙で塩辛くなっていた喉を、ありがたく水分により潤した。
エンは疑問に思った。
こどもの何が、いけないの?
「……パパは、どうしてそんなこというの?」
ちょっと面喰らった、パパはお茶を、ひと口、飲む―――……
「…そんなエンは、どうしてそんなことを、聞くんだ?」
「!」
「質問に疑問符で返すと、これは延々と続くディスカッションなんだよ。
おまえは、そう言う事が苦手だろう?自分で解ってるか?
傷つく事を恐れているからだ。
故に相手から勘違いされているんじゃないのか?
………そんなに、人と話す事が嫌いかい?」
「…むすっ…。」
何も言えなかった。
「…」
「…。」
「…アナタ。柔に返してあげて。充分伝わりましたわ…! ふぅ。」
「…ん。すまん。」
と、ママからハンカチを手渡されそのハンカチをパパがエンに渡した。
ひくひく、涙をふくならず、鼻を拭いた。
「おとなしいからな。相手とちゃんと向かい合って理由を聞くためにお話ができるように大人になれたらな……
人の気持ちとは裏腹に…。」
「むー。」
そうゆうのって
解らないよ
特にエンには大人になっても
裏腹に計算なんかじゃ解らないよ…
「エーちゃん。」
「はーい?」
「今度、遊園地行こうな。」
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