第10話

朝の木洩れ陽

〇+。------------------------------------------------





「ふぁーっ、昨日はよく寝たなあーっ!」


窓の外の大きな木々から射し込む光。

木洩れ陽も素敵だね。チャッピィ。

エンは、大きな鏡の前で、すっぽんぽんになり、お着替えをして、ランドセルに教科書を入れました。


「よし、準備OK !」

「…ピキュ」

「ん?どうしたの、チャッピィ?」

「キューキュー…」

「ちょ、チャッピィ…ぬぁはは…っくすぐったいお。」


チャッピィ。なんだか最近チャッピィは、わたしにモフモフさせてくれる。

うー、もっふん、もっふん、すぎて、埋もれる~~~っ あったかあい、しかし躱すチャッピィ。ちょっといやがったみたい。わたししつこすぎたかな?と思いきや、ゴハンのカップ器を咥えて、ゴハンを入れてけろ、と、指示するのであった。



「んーう、待ってて~、ママァ、チャッピィのゴハン袋何処にしたっけ~?」

「自分で片付けたんでしょー?もーッ!」

「だって、ないんだもーん。」


「キューイ…。」


チャッピィは、フッと、ため息をつくと、昨日の窓辺から映る空を見上げるのでした。

とりあえず、魔獣ウィザレッドの事は秘密にしておこう。エンは恐い獣は大の苦手だし、この子の事だ、素直に身を退くだろう…。魔獣、いや…魔族とは、本当におっかない輩なんだぞ、エンよ。


「じゃーね、パパ、ママ、チャッピィ~ !

いってきまーす。」

「「気をつけて行くんだよー。」」


ママとパパ、そして、並ぶように隣にチャッピィがちょこんと座る。

朝のお見送りの会でした。


そして…


「エン、おはよーさん。」

「お、おは、よう…!セハスお姉ちゃん…!」

「うちらまた遅刻組。常習犯よねぇ~(笑)」

「う、うん…。(先生に怒られそう)」

「はっはっはっ、ボクを忘れるなかれ!!」

「あーはい、レアンくん、はよ…眠くない?」

「知ってるかい?お姫様は王子様のキs」

バシコンッ

「だいじょーぶ?レアンお兄ちゃん…!」

「ほっとけ。いくわよ、エン。」

「フ、フハハ、…エンは優しいね。ボクは好きだよ。」

「うん。エンもぉ~。」

「うぉお~ら二人いちゃこくなぁ~早く来~い!!」


今朝は木もれ日の下、青空の道のりで

今日も何気ない日々がすぎてゆく……


そう、今は実感していたんだけどね…



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