第5話:犬に似たエトランゼ。

次の朝までソファーで寝ていた中西君・・・目を覚まして、大慌て。


「ここどこ?」

「僕なにやってるんだ?」


「おお〜起きたか?中西」


「あ、奥寺さん・・・ここでなにやってるんすか?」


「なんにも覚えてないのか?」

「僕はどうなったんですか?なにかいけないことしました?」


「まあ、俺の彼女にはちょっと失礼があったかな」


そう言うと俺は改めて中西にイヴを紹介した。


「ああ〜・・・あの、この猫みたいな美しい方は?」


「私は猫じゃないって言ってるだよ、美しいは嬉しいけど」


「俺の彼女だよ」

「中西、だいたいおまえがイヴに会いたいって言ったから俺んちへ連れて

きたんだぞ」


「え?そうなんですか?・・・あ、ここ奥寺さんち?」

「僕、昨日どのくらい飲んだんでしょう?」


「酒風呂に入ってたくらいな」


「奥さん、すいません・・・図々しく押しかけてきて」


「奥さんじゃなくて俺の彼女」


「え〜となんて言いましたっけ?・・・サイレント人?」


「サイレント・・・サイレント人だよ・・・猫なんて言ったら怒るぞ」


「いや〜僕は初めてお会いしました、そのサイレント人って猫・・・じゃなくて」

「奥寺さんエトランゼの恋人なんていいですね、うらやましいっす」


「人間の女子はうんざりです・・・僕もエトランゼの彼女探そうかな?」

「え〜と奥さんお名前なんて言いましたっけ?」


「イヴ・クリスマス」


「もうそんな時期なんだ・・・サイレンナイ〜ホーリーナイ〜ですよね」


「このアホまだ酔いが覚めてないよリトル」


「奥さん、よかったら僕もサイレント人さんの同郷の女性の方とか紹介

してもらえませんか?」


「え〜たぶん地球に来てるの私くらいだと思うけどぉ」


「奥さんさんみたいな、こんな魅力的でキュートでセクシーな彼女、僕も

ほしいです」


「そんなこと言われても・・・」

「あ、コンパニオンの中にひとりいい子がいるわ」


「え?サイレント人なんですか?」


「違う!!さっきも言ったでしょ、地球に来てるサイレント人は私だけ

だと思うって・・・」


「そうだ、彼女とのツーショットあるから見せてあげる」


そう言うとイヴはスマホの中にそのコンパニオンの子を中西君に見せた。


「え?・・・この?人ですか?」

「何人?・・・なに星人ですか?」


「カカオ星人かな?」


「い、犬じゃないんですか?」


「犬なんて言ったら怒るよ・・・彼女は犬じゃないからね、似てるけど」


「頭も体も真っ黒なんすね?」

「し、しかも、お、おっぱい四つもあるんすか?」


「贅沢よね・・・」


「贅沢って言うか・・・どれに集中したらいいんだか?」

「エトランゼの中でも彼女異色ですよね」

「ちなみにこの黒い彼女のお名前はなんておっしゃるんですか?」


「この子の名前は「バレンタイン・チョコレート」」

「この子なら性格いいし、よかったら紹介してあげるけど」


「そうですか・・・そうだな・・・人間の女性にも飽きたことだし・・・」

「僕、エトランゼと付き合ってみたいです」


中西君は何かを夢見るように天井を見た。


ってことで酔っ払ってイヴを見に来た中西君もエトランゼの女性を彼女に

持つことになった。

中西君はバレンタインにごめんなさいって言われることなくなんだか不気味な

くらいトントン拍子で仲良くなった。


でめでたくカップルが誕生したので記念に俺とイヴと中西とバレンタイン

の四人で有休を取って宇宙旅行に出かけることにした。


プランは銀河を巡ってその果てまで行くこと。


旅行会社に頼んで正式にプランを立ててもらった。

銀河系のいろんな星雲を巡りながら途中レストランに寄りながらののんびり旅行。


まあ、いいじゃないか?・・・急ぐ旅でもないし・・・。


つづく。





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